スピーチライターがいかに美辞麗句を連ねた原稿を書いても
テキストで見ている限りは、一見いい文章っぽく見えるけれども
人が話して伝える以上、顔で見て、耳で聞き、心で詠むため、
文字的に滑らかな作り物の言葉が、伝わるかは別の話だ。
最近マスメディアに登場する、世のお偉い人たちの
中には、自分で話すことを人に考えてもらっていることが
まるわかりで、見ていて少々滑稽で、そして恐ろしくなる。
自分で自力で絞り出した言葉には、厚みがあり、血が通っている。
だから、人々は感動するのだ、応援しようと思うのだ。
言葉の力ではなく、利権やお金の力で伝えることに慣れている
人はコトバの持つ本当の意味を軽視しているか、
理解できていないのかもしれない。
新年からぺらんぺらんの言葉を見聞きする、単語だけが
キーワードっぽく表現されて強調されるけれど、
「それ、あんたが考えたんですか?あんたの言葉ですか?
考えですか?」
と思いながら、冷ややかにスルーしている人々がいることを忘れては
いけないと思ってしまう。
黙っているのは認めているのではなく、怒っていることも
ある。無視していることもある。
美辞麗句を並べなくてもいいので、
一生懸命自力で、自分の言葉で生きようと頑張る人を
とことん応援したい。
文字を暗記して伝えるのと、自分で考えて発する言葉は
その一言一言がもつ力が違う。
自分の言葉。自分の考えがないと発することができない。
もっともっと勉強しなくては。とまず、自分から。