印刷会社で長く働き、コミュニケーションがいかに重要かについて
多く学んだ。それが今の生き方にも大変役立ち、生かされている。
印刷会社は現在、苦境に立たされている。
独自の強みを磨き、生き延びている会社ももちろんあるが、
多くの会社は、安くて速いネット印刷との差別化に苦慮している。
ハイレベルな印刷にはそれなりの設備投資も必要であり、
先を見込んで投資をし続けられる会社は多くないと思う。
価格競争ではネットに負ける。
ネットは安い。しかし、その安いにはわけがある。
人がやっていた細かい仕事を、印刷会社自体はしない代わりに
ユーザーなり、デザイナーなりがやらなくてはならない。
もちろんパソコン操作に長け、慣れている人にとっては
素人であってもネット入稿は難しくないし、
自分のモノの発注であれば、自己責任でネットで安く行えば
良いが、これがビジネスで、お客様が使うものとなると
やすやすとネットを活用するのは、時と場合によっては要注意だ。
ネットならば、年末年始もやっている。と誰しもが思うが
実際にはネットの会社も年末年始は通常と異なる。
なぜ、印刷会社の仕事にはそれなりのお金がかかるのかは、
実際にやってみた人にはわかるが、やらない人にはわからない。
顔が見える営業の安心さ。そこが大変重要であるということを
理解して、ネットを使い分けなければならない。
安いは、結局高いということになることもあるのだから。
顔の見えるコミュニケーション、サービス、人と人の交流こそが
いつの時代も一番満足につながるということを
忘れずにいたい。
「安い」は「やすく」ない。
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