ふれないコミュニケーション社会へ

ある新聞のコラム欄で、ある有名なアーチストを取材した際、握手をしようとしたら、拒まれた
ことが書いてあった。「きみの手に触れると、その菌が体内に広がって、病気になるから。だから
私はもう長い間、誰とも握手をしていない」とあり、さぞかし、その拒まれた方はそのとき
返事に窮しただろうと想像した。
確かに、どこの誰かわからない人と接触するのは、見方によれば危険ということになるのか。
じゃ、毎回手を洗えばいいじゃないかとも思うが、ま、それはそれとして。
一方、最近、街角、職場でマスクをしている人は多い。
風邪をひいているから・・だけの理由ではないようだ。
仕事で会った方がマスク姿のときが多いので、
「風邪ですか?」
ときくと、
「いいえ。菌が入らないように予防しているのです」
とのこと。
であるため、その方の口元がどんな表情だったか、またどんな心境で話をしているのか
が目だけではわかりづらいこともある。

人が増えると、人の接触が多くなると、確かにばい菌も入りやすくなる。
そういう意味でも、予防はもちろん大切であるが、
あまりにも、「ふれないコミュニケーション」が主流になると、どうも人間関係が
乾燥しそうな危惧もある。

免疫力を付けることも生きる上では大切だ。
触れることで、強くなることもあるはずだ。

もちろん、人それぞれの体質があるため、一概にはいえないが、
人との距離をおき、自らの命を健康を守ることが当たり前になると
会話コミュニケーションにも支障が出そうな・・。

会うとき、別れるとき握手をしよう、ハグをしよう。
こっちの方が人間らしくていい。
そして顔の表情をちゃんとみて会話できる関係が
いい・・と思っている。

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