GO WEST, MEET WEST

すみちゃん。と呼んでいる女子がいる。
会ったのはもう10年ほど前、京都で知り合ったエステシャン。
その後、ニセコに転勤したかと思ったら、オーストラリアにワーキングホリデー
と思ったら、いつの間にか東京に住み着いていた。
東京にいると思うと、なんだか家族みたいで、会う回数こそ少ないが
妹のように思って、接していた。
お父さんの調子が悪いと聞いたのは、半年以上前のこと。いつかお父さんの前で
演奏したいね。だから呼んでね・・。と約束。
そして、再会したのはこの週末。
見た目いたって元気で変わりない様子。そして、東京を離れて、岡山の実家に
戻るという。そしてその準備をしている。だから、今回の会食は東京でのお別れ会
ということになる。
お父さんの容態のこともあって帰るのかな?と思っていたら、
なんとお父様はこの夏に、亡くなられたそうで、驚いた。
お父様が亡くなったことがきっかけで、いろんなことが変わり、そして
自分の拠点を見直すことになったという。
それでも、彼女はとても前向きで、いきいきしていて、もう心はふるさとでの
新しい暮らしや仕事に向かっている。
「そう、もう東京じゃなくていいよね。もう十分経験したしね。」
すみちゃんと話していると、自然と関西弁同士になっている。
「今度は、西で会おうね。」
そう、彼女とは京都で出会い、最初は私は客のひとりだった。
彼女の全国?世界縦断の10年に合わせて、いつのまにか家族のような存在になった。

お父さんが空で感謝されているよ。ありがとうってね。
今度は、お父さんを思い出して、西で演奏会やろうか。

すみちゃんの目はきらきらしていた。涙でもあり、明日を見るエネルギーの
光でもあり・・。

東京を卒業する人が増えつつある。
GO WEST, MEET WEST.

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