今回のブエノスアイレス訪問では、初めて現地に住む日本人ガイドに会うことになった。
彼女は、ひとみさんという名で、香川県出身。もう30年もこの地に住んでいるとのこと。
南米生まれであったこともあり、言葉も含め、ラテンな生き方を自然に身に付けてきた、
だから今さら日本的な生活にはなじめないから、永住する予定だという話を聞き、
あまり人のことを羨ましいと思いたくないが、もし、自分もそんな運命の星の下に生まれていたら・・とふと思ってしまった。
それはさておき、もともとアルゼンチンは移民の国で、イタリア、フランス、スペイン人たちが
やってきて今の独特の町が出来上がった。この町が「南米のパリ」と言われてきたのはこの移民たちののおかげである。
そして、貧しくともがんばり、自分たちのステージを築き上げていった。
貧しい社会だったからこそ、タンゴが生まれ繁栄した。踊ることはお金がかからず、心が豊かになる。サッカーがこの国の人をはじめ、南米に普及しているのはこういった背景も関係しているに違いないと思っている。
この町へのアジアからの移民入国はそれから、ずいぶん後のことらしい。
ブラジルに移民した人々も含め、日本人は大変勤勉で、その国の発展に貢献したため、その次代の
移民たちも、先人たちのおかげでいい待遇を受けたとのこと。
北米に行くと、日本人は未だに差別されているようであるが、南米では他のアジア人と比べても日本人は尊敬され、親しまれている国民だそうだ。
ひとみさんは、「先人たちのおかげで、私たちは肩身の狭い思いをしなくてすんでいます。
彼らの行いが良かったからですね」と、話してくれたのがとても印象的であった。
もし、その町で犯罪を犯したり、人に迷惑をかけることがあれば、その次の人はきっと疑われやすい
だろう。「あなたなら大丈夫!」と、異国で信頼されるには、自分の努力だけではどうにもならないことがあり、逆に先人たちのおかげで自分の居場所があるということに改めて感謝をしなければと思った次第。
これは異国での話であるが、日本でも同じことだ。
先人たちのおかげで自分が生きることができ、自分の行いが未来に、広義の子孫に良きも悪しきも
影響を与えるのだ。
だから、いい行いをしなければ。
ひとみさんと話していて、日本では気づかないことに多く気づかされた。
ちなみに、中国人は世界中、どこの町にもチャイナタウンをつくる。このブエノスでも同じ。
でも、日本人は異国に来ても一致団結しない民族のようだ。
「バラバラなのね」
日本での村意識から逃れたい人が世界に出るのだから、当然なのかもしれない。
中国人はお金儲けが目的だろうから、一致団結?
話がそれたが、世界で生活する日本人と交流することはとても貴重だ。
ひとみさんに、また会いたいと思っている。