人間関係はじっくり育むもの

最近、セミナーなどで、マーケティングとは事業の存続であり、その主体であり、事業者の存続そのものであるという話をするなかで、それはまさに関与者(ステイクホルダー)との「関係づくり」に他ならない、という話をする。
と、書くとなんだかエラそうであるが、生きていること自体がマーケティングだと常々思っている故に、自分が生きるということは、社会との関係づくり、言い換えれば人間関係をはぐくむことだと思えてならない。
何かのパーティーや集まり、勉強会で名刺交換をしたり、あるいはSNSなどを通じて、知らない人と出会うことは容易であり、そのときの勢いも含め、いい感じでおつきあいが広がることもある。
しかし、10年経ってみると10年前に出会った人の中の何人と、変わらぬおつきあいをしていることだろう。
その数は決して多くない。
ふと10年前に知り合い、今も変わらぬおつきあいをさせていただいている方から暑中見舞いを兼ねたメールをいただき、10年か。いろいろあったな。その方は当時、会社の社長さんで、引退され、今は娘さんに全権交代され、御母上の介護をしながら、そしてご自身の病気とも戦いながら、自分らしく生きておられる。いろんなことがあったな、笑いあったこと、抱き合って泣いたこと、心配でたまらなかったこと、ありがたい言葉をいただいたこと・・・。人間関係というのは、瞬間では、また自分本位では育たない。いつも、相手に感謝し、感謝され、励まし合い・・。そんな繰り返しで、共通の時間を生きていくことだろう。
夫婦やパートナーも然りだろう。長く一緒に仲良くいられるのは、まさに関係をはぐくんでいるからだと思う。
相手を尊重し、感謝し、共有する時間をいつくしむことができるか。
いろんな方から、ご挨拶をいただくこの季節。改めて、ありがたいと思う。
人間関係は育むもの。だから、もうそんなにたくさんは要らない。良質な関係を長く、大切に。
ある方が10年ほど前に教えてくれた。「人脈を減らすことも大切になるときがくるわよ。」だんだんその意味も
私なりに見えてきた気がする。

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