時々、いくつかのメーカーから「ファミリーセール」という案内が届き、
興味ある場合は、リサーチ兼ねてその会場に向かう。
ファミリーセールとは、そのメーカーの在庫一掃処分の大安売りだ。
高級ブランドと言われるガラス製品のそのセール・・・長蛇の列。そして大量にワイングラスなどを
買い物かごに入れ込む人・・・。デパートで売られているあのラグジュアリーな雰囲気とは違い、殺気立ったバーゲン会場の雰囲気に戸惑い、商品よりも商品に群がる人に目が行く。
ガラス製品をこんな風に大量に買い込むのか?
これって、もしかしたらネットで売るのでは?その仕入れにきている人もいるのかも・・。
とにかくそこで、買い物しようという気持ちにはなれず、この喧噪から離れたく、
数分で会場を出た。なんだかそのブランドへのイメージも変わってしまうほどだった。
そして後日、衣料メーカーのファミリーセール。
サザエさんで見るデパートでのバーゲン会場での争奪戦のように、お姉さん、おばちゃんが必死に
透明の袋に衣類を詰め込み、そして鏡を見たり、財布と相談しながら、買わないものを
元あった場所に戻さず、その場に置き去りにする。会場は乱れ放題。女たちの戦場・・。
もはや、そこにはいい商品はない。デザイナーの失敗作、売れ残り・・。しかもしわくちゃの山だ。
荒らされたワゴンはもはや、洋服ではなく布の塊のように見える。
こちらもその会場の雰囲気をみて、気持ち悪くなり、手ぶらで退出。
商品はちゃんとした売り場できちんと見るから、ほしくなったりする。
作る人もファッションショーや売り場を想定してつくるはず・・。
しかし、現実には毎シーズンごとに新商品を出さなければならないメーカーの宿命、
だからこういった在庫セールはお決まりの重要なイベントであり、
ここで買い物に燃える客がいる限り、売る側もありがたいことであろう。
1枚でも多く処分し、回収した方がいいはずだから。
でも、ここで見る商品は通常の売り場で
お客に選ばれなかった商品の残骸・・。そう残り物、もしくは失敗作だ。
華やかな商品の新発売から、半年も経てば、もう売れ残り・・という
悲しいファッション業界のサイクルについて考えさせられる。
なんだか、MOTTAINAIぞ。
売り場により商品の価値は高くも、低くもなる。
いつまでシーズンごとに新商品を出し続け、作り続け、買い続けるのか・・。
モノ余り日本。世界。
結局、こういったところに我こそと集まる人たちは、そのブランドを心底
愛している以上に、「買い漁るという行為」を欲しているような・・。
現代の消費という病気?について考えさせられる一幕でもある。
もちろん、自分自身の消費行動についても反省をする。
いずれにしても、売り場は商品の価値を変えるし、
いずれにしても、消費を加速させる仕組み作りについても
つくづく考えさせられる。
とにかく、まずは自らが反省だ。