いつも買う食品。ちょっとこだわりの食品スーパーと、その近所にある業務用スーパーの両方で
売っていることをたまたま知る。
同じ商品なのに、かなり違う値段で売っていることを知り、家人と一緒に出向く。
家人との買い物はいつも前者のスーパーで済ませ、業務用スーパーに一緒に行くのは初めてだ。
この店はプロのための店ということで、大容量の商品も多いが、一般客も歓迎ということで、
家庭向けの食料品から酒類まで幅広く取り扱っており、価格はどれもこれもかなり安い。
冷凍食品や調味料が充実しているところが特徴か。
商品は店内に隙間なく積み重ねられ、什器では収まらず、段ボールに入ったままの状態で
販売されているものもある。
各商品は生産地などよく見ないと・・というものもあるが、ま、安いからこんなもんか・
・という感覚にもなり、
気が付くと「あそこより安い」という一点だけで、ついついかごに商品を入れ込む。
安いからいい!安いからこんなもの・・・という感覚だ。利用者は若い世代から老人まで
幅広く、業務用であるが一般の人が多い。
初めてその業務用の店を訪問した家人は、かさばる袋を持ちながら
「なんか、気持ちがさみしくなる店だね」と言った。
なるほど。
この商品の生産地は?といちいち気にしながら選ぶのも気になったよう。
それに比べて
いつも行く店は、安心できる商品がそろっており、値段以上に選ぶ楽しさがあるのだ。
もちろん、安いものをみつけることは大切だ。
でも、買い物して気持ちがわびしくなっては、その材料でつくる料理も
美味しくない。
いい売り場で商品を探す楽しみというのは必要なのだ。
ふと、15年ほど前、NYの郊外でみつけた楽しさを売る、食品スーパーの存在を
思いだした。
同じ食品を売るにしても、特徴は、ターゲットは多様だ。
何を優先するかにより、売り場の選び方も変わる。
そして、
売り場により商品の価値は高くも、低くもなる。