レクイエム・サマー。

夏はバカンスシーズンであり、とくに今年はオリンピックもあり、活気に満ち、そしてそれに
負けないほどの気温の上昇・・。とにかく暑く熱くなりがちな季節。
ではあるが、原爆記念日もあり、お盆もあり・・・。
今生きている日常の雑事に追われるだけではなく、先人のこと、
身の回りで旅立ってしまった人たちのことに、思いを寄せる、思いを馳せる季節でもある。

初盆を迎えることになるとは思わなかった知人たちのことを思い出す。
つい最近、90歳を越えたご主人の最期を看取った知人のことを思う。
原爆で亡くなった広島や長崎の方や、その遺族の人たちのことを思う、
破壊された傷跡が残る町のことを思う・・。
そして・・・。まだまだある・・。

夏は鎮魂の季節なのかもしれない。
暑くなればなるほど、心静かに、自分が今おかれている現在を客観的に見る。
すべての先人に手を合わせる。
盆踊りも、精霊流しも、灯篭流しも・・・すべての夏祭りも・・。
一見賑やかで、華やかに見えるが、心は鎮魂、そして祈りのための活動である。

夏は、ハレの季節であるが、静かに目を閉じ、手を合わせる季節。
レクイエム・サマー。

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