やったことがないから、やってみる。

相談会や講座を受講いただいた食品小売り業の店主と久しぶりに会う。
そこの名物の玉子焼きが久しぶりに食べたくなり、注文したら忙しい合間をぬって
上越妙高の駅まで持参してくれた。特製のお惣菜とともに・・。
そこの玉子焼き。店が有名になりたいなら何か名物があるといい・・と言ったら、
「実は、これがうちの自慢の商品なんです。」と明かされた4代目の玉子焼きなる逸品。
もともと魚屋さん。その4代目が受け継ぐ玉子焼きは、寿司屋でも使われ、
またお正月のおせちにもいい抜群なおいしさだ。

その店主と、しばし近況について語り合う。
一時はお店をやめようか、思い切った業態転換をしようかと
悩まれていたが、今は地元の「みんなの台所」として、奮闘中。
鮮魚・魚の加工食品に加え、一般の食品販売も行いつつ、仕出しにも柔軟に対応。
思い切ったリニューアルオープンから1年。売り上げも納得いく数字と
うれしい報告を受ける。
辞めなくて良かったですね~。とこちらもその喜びを共有させていただく。

そして、最近では、評判も広まってか、これまでだったらできないハードな
注文も舞い込むそうだ。
学生の合宿での食事提供とか、ホテルへの朝惣菜の提供とか・・。
考えたら大変な手間と人手もかかりそうな要望。
断ることも時には大切であるが、その店主は、断らないという。
どうしたらやれるか考えて、何とかやる。

声かけていただけるのは、日頃お世話になっている方たちから・・・だから
断れない・・。
利益がどうこうではなく、まずやる。
周囲の人たちは、そういうことを教えてくれてきたわけですからね。
自分もそうやって助けられたのだから、求められる今、
自分もそうしないと・・。とのこと。

その店主の姿勢に感動した。

当たり前のことだけをやって、継続していく、安定を求める。
だけではなく、
ちょっとどうかな?ということにも挑戦していく。
このことは大変重要だ。

やったことがないことに挑戦することで、
自分の経験の幅が広がり、またそれが次に必ず生かせるから。

声をかけていただけることは幸せなこと。
心から共感する。

私もやったことがないことに、もっともっとあくなき挑戦を
していかねばと思った。

それにしても、そこの四代目のたまご焼きは、
世界一といってもいいほどにおいしい。

私の中に、店主夫妻の仕事ぶりがインプットされているから
いや、夫婦の愛がそこに詰まっているのを知っているから・・
だろう。
がんばれ、四代目!

新幹線の改札まで送ってくれた彼と、その時間もお店を守る
奥様に心からエールを送り、想いこもった料理を東京まで持ち帰る。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク