「寝させへんで!」

とある町での初めての勉強会。十数名の参加。初めてお会いする人ばかりで、こういった場面でよくある、始まるまでのなんとなくの緊張ムード。
いつも、相手が違うわけであるから、こちらも緊張するし、受講者の方からも、どんな話が聞けるんだとか、来てよかったかどうか?を見極めようという無言のプレッシャーも伝わり、とにかく始まるまでは、いつも新鮮である。
そして、始まってしまえば、こちらは流れを止めることなく、時間いっぱい走り続ける。
わずか90分の講座であっても、退屈させてはいけない。
人間の集中力の単位は90分だと、学生時代に学んだことがあった。正確には45分ごと。だから、小学生での授業は45分が一時限であったし(今もそうか?は不明)、大学になると90分が1講座の時間であった。
だから、90分は面白い内容であれば聴いていただけるのだ。
話の合間合間にエピソード、ときには受講者に質問、考えてもらい、参加していただくなどちょっとした工夫も含めて進行。もちろん話自体が面白くなければならない。
おかげで、最初から最後までどの方も真剣に聴いておられるのが伝わる。
寝そうな人がいても、すぐに元通りになる。ということは、ランチ後の睡魔が起こる時間帯であっても、がんばって聞かねば!という気力が勝っているのだろう。
講座が終わる。大きな拍手をいただく。
司会の方が「みなさんがこんなに熱心に聞かれていたのは、初めてですね。」
と言われ、そうかとちょっと安堵。
実は、いつも寝られないように、いかに眠らせないかはいつも考える。相手の顔を見ながら話すのだから表情はすぐわかる。
いかに寝させないか。刺激の連続、発見と感動・・。単調では眠くなる。
講座も楽しく学べることが大切だ。眠りそうになっていた高齢の受講者が最後までがんばって聴いてくださっていたその様子を思い出すとなぜかほほえましい。
「寝させへんで」。という気概をもって。そして、聴いてくださる方の背中を押せるように。
また、次もがんばろう。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク