風に吹かれて、人思う駅のホーム

北陸新幹線が開通し、東京と上越地区は便利になった。今は上越妙高駅、新幹線開通前は直江津駅にお世話になってきた。
開通前、開通後いずれも駅によく迎えに来ていただいたり、送っていただいたり・・・待合時間を利用して、ちょっと相談に
のってほしいとか、遠方でも私のライブに駆けつけていただいたり・・・とにかく、熱心だったMUさん。

彼女が昨年秋に、上越妙高駅駅まで私を送り、ロータリーでいいのに、わざわざ車を止めて、改札まで来て、送ってくれた。
私が改札に入り、ホームに行く姿が見えなくなるまで、手を振り、見送ってくれた。
その姿は今も鮮明。
彼女はその約3か月後。今年の1月、高速道路で事故死。
あれから、まもなく半年になるが、今も信じられない。

今、この原稿をその上越妙高駅のホームで書いている。
待ち合わせ時間を利用してのことであるが、この駅に来ると、ここにいると、彼女がいるような気にもなるのだ。

なぜか梅雨の時期でも、妙高の山があるせいか、風が通って、大変気持ち良い。
上越の初夏ってこんなだったかと思うほど。
残念ながら、停車する電車の本数が少ないため、駅のホームはとても静かだ。
そのベンチに座り、ひとり半年前の上越でのライブのこと、その後のこと。
いろんなことを思い出しながら、風に吹かれ、これからわが人生は、どっちにいくのかなと
思ったりする。

この駅におりるたび、MUさんのことをこれからも、思いだすだろう。
彼女が、風になって、雪になってやってくるのだろうか。

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