心の姉さんのような存在の人がいる。久しぶりにお会いすることができた。仕事での相談あるたびに、銀座の三越で、ときには実家にまで・・といろいろご足労いただいてきたが、最近は時間がとりづらく、外出もままならない状況であったので、今回は近所の駅まで出向き、久しぶりにお会いすることができた。
その方と旦那さん、二回りも年が違うそうだ。年が離れているから・・とは聞いていたが、親子に近いほどの年齢差。そしてその旦那さんは、今90歳で、がんとの闘病中。心の姉さんは、献身的に彼(ねえさんは、旦那さまのことを「彼」と呼ぶ)」に付き添い、寄り添い、日々、静かに暮らしておられる。そういえば、癒しのために犬も飼うようになったらしい。「彼が最期は自宅で。と希望するので」ということで、病院ではなく自宅でゆっくり過ごす。訪問看護のサービスも受けながら、24時間体制。深い睡眠がとれなくて・・とおっしゃるので、本当にご夫妻とも大変だと思う。
「一緒に出掛けたがるのですよ。車いす用の車も手に入れました。本が好きだったので今はもう読めないけれど、とにかく本屋へきて本を買って、食事をして・・ということもしています。子供がいないのでね・・・」・・・近況を聴きながら、自分の老後を重ねてみる。
「亡くなったあとは、お骨を沖縄の海へ・・・と言っています。多くの戦友がそこに眠っているからということで・・。」目に涙を浮かべながら、愛するパートナーのことを話してくださる姿に心うたれる。
相方って、大切だ。私にとっても相方はかけがえのない存在だ。
いつかその単位が終わる、いずれかが欠けてしまう日が来るのだろうけれど、それでもこの単位は大切にしたい。
自分で選んだ道、自分で選んだ相手だから、生きている限り一緒に生きる。
いっぱい優しく、できることをして、そして、自然に、普通に。
心から、このご夫妻の静かな幸せを、お祈りしたい。