寄り添う人を「カステラ」で応援する

仕事で長年お世話になっている方のご家族が癌と闘っておられる。家族が病気になると本当に大変だ。その方も仕事と看病の両立で大変お忙しく、またお疲れの日々を過ごしておられる。そのことがずっと気になっている。
お子さんがおられないので、少しでもこの苦しい状況を緩和できればとのことでペットを飼ったり、前より生活そのものも変わってきているようだ。
年の離れた姉のように思っているので、その姉ちゃんが、看護疲れされていないかとても心配している。でも、あまり頻繁に声をかけすぎるのも、かえってご迷惑ではないかと、静かに応援しながら、時々、差し入れなんぞ送ってみる。時々、「お元気ですか?」とメールをする。すると最近の状況など詳しく教えてくださる。会いに行くのも相手に負担がかかることもあるため、会わないでできることを模索する。
会えるときを待ちながら、何かできないか・・。あ、長崎のカステラだったら夫婦で召し上がれるかなと急に取り寄せ、送ろうと思い立つ。体調が悪くてもカステラは胃にやさしそうだ。
さっそく届いたとの連絡が入る。「最近、体調は良くないのですが、主人は外へ行きたがります。車いすであちこち出かけますが、大変ですね。そんななか、カステラ。当初伝来してきた感じがありますね。主人は食欲が落ちていますがこれはいただきました。主人も満足していました。本当においしかったです。がんばる力がわいてきました・・」との言葉をいただく。ザビエルさんのおかげで伝来したカステラは病と闘う人に、元気を与えてくれることを改めてうれしく思う。お菓子は、もともとはハレの日の特別な食べ物であった。こんな場面で役立つことはうれしく、またこれぐらいしかできないが、家族に寄り添いがんばっている人、そしてそのご本人を静かに応援しながら、1日でも長く、ご夫妻仲良く暮らしていただきたい。ただ、それだけだ。

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