日本人はワルツよりマーチ?

毎日一曲100曲つくるプロジェクトも、折り返し地点が近づいてきた。ある人物を思い浮かべ、そこからそれに関する言葉や風景をイメージしながら、沸いたメロディを書きつないでいくという不思議な創作活動。ピアノなし、五線紙とボールペンと静寂があればできる、朝のお仕事。とくに意識しないと、口ずさむのはワルツ曲。それは自分が1,2,3の星の下に生まれたからかもしれないが、個人的にワルツの陰陽含めた多様性が好き、情緒豊かに表現しやすいなどの理由がある。しかし、実はワルツ、いわゆる三拍子は日本人にはなじまないリズムかも。実際、時々手伝ってもらうプレイヤーも、ワルツはあまり得意じゃないと言っていたが、安定感のない3拍子はクラシックピアノでショパンなどに親しんだり、ダンスが好きであれば自然にリズムがとれるが、和楽器をつかう曲で三拍子の曲はたくさんあるだろうか?このことは実は、ずっと気になってはいたが、今回ある言葉の勉強会でそれに関することで新発見があった。日本人はもともと三拍子とかの奇数ではなく、二拍子、四拍子といった偶数でリズムをとる習性があるらしい。たとえば、俳句などは5・7・7と文字数では奇数であるが、それを実際に声に出してみると、二拍子のリズムに乗って句を詠んでいることに気付く。また、宴会の中締めなどでおなじみの三・三・七拍子も意識してやってみると、一呼吸おく間も含めるとやっぱり偶数拍だ。そうか~。日本人の遺伝子のなかに、安定感のある二拍子、四拍子が刻み込まれているのだ。もしかしたら、これは農耕社会での労働リズムにも関係あるだろうか。地道にこつこつと作業をするそのリズムはもともとは、1・2、1・2。このリズムは行進曲だ。とにかく前に進む、真面目に進もうとする。三拍子はかなり感情が入り混じったリズムであると思うが、二拍子は違う。日本人は感情をあらわに出さないという民族性にも関係あるかもしれない・・。リズムとは音楽だけでなく、言葉の世界でも民族性をもっているようだ。とても面白い事実だ。やっぱり日本人は努力家かつ安定志向なのかも?

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