日本に駐在し、25年以上日本で勤務されてきた知り合いが、このたび帰国されることになり、久しぶりにお会いする。初めて日本に来たときは、怖い国とも思い、成田から折り返し帰国したくなった・・・それぐらい言葉も何もわからなかったのに、いつしか日本のことを大好きになり、言葉はもちろん日本のことを広く理解し、日本人とのビジネスも円滑にうまく進められ、数々の業績も挙げてこられた。一時期は、このまま永住権をとって日本で仕事をしてもいいと思う時期もあったそうであるが、50代を過ぎ、母国と日本を行ったり来たりし、また母国での久しぶりの正月などを過ごすにつれ、故郷に帰ってもいい、帰りたい、故郷っていいな。と思うようになったため、今回の帰国は納得のいい機会になったという。日本で多くの友人ができた、これはとてもありがたい。でも、やっぱりビジネスで来ていたので、友人といっても会社あっての、肩書きあっての関係からであるため、まったく素の状態でおつきあいするということにはならなかったのかもしれない。故郷には家族も、友達もいっぱいいるので気が楽、そして日本へ来ていた駐在員仲間もほとんどがもう日本にいないので、やっぱり最後は故郷がいいと自然に思うようになったそうだ。
自分の場合は、会社の命令で故郷を出たわけでなく、自分の意志で出てきたのだからちょっと背景が違うが何ともいえないが、年を重ねることにより、少しづつ故郷を意識するようになってきたことは間違いがない。
ただ、25年以上住んでいると、「日本に住む」という身分と離れる、通常的に日本の景色を見ることがなくなる・・ということに寂しさを感じるそうだ。
今後は出張として、訪問客として日本を訪れるだけのことだけであるが、どうも「住んでいる」と「訪問する」日本には大きな違いがあるようで・・。
どこにいるにせよ、人はずっと同じ状態にはない、時間の経過、環境の変化により、自分の住む場所は変わっていく。ずっと同じ場所にいたとしても、まったく同じではない。変わっていくことを恐れず、そして帰っていくことも自然な選択として・・考えていくことが必要な年頃になってきたかな。と、その駐在員の話を聞きながら、わがことも考えていた。
最後は、やっぱり故郷がいいらしい。
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