空に近くなるとクリエイティブになる

NYには高層ビルが多い。どれもデザイン的に美しく、またその摩天楼の上に広がる空が好きだ。それは東京の空とも違い、世界の移民たちが描いてきた夢のようでもある。
高層ビルの窓から、空を見上げ、手を伸ばしてみる。普段会えそうにないものに出会えるような、可能性を感じるのも不思議だ。私はそのとき、先に旅立ってしまった友人たちのことを思い、空に話しかける。NYにいるのに、台湾や上海でお世話になった、あるいは京都や東京でよくしていただいた彼、彼女らがNYの空にぷかり浮かんでいるように思えてくるのだ。そんなときは、自然に曲が生まれる。NYは無理にジャズを演じる必要ことがない町でもある。自分のオリジンが自然にむき出しになる。
今回はこの近くなった空のおかげで、今年春に旅立ったANNEを思い出し、自然に哀悼歌が浮かんできた。彼女が国際的に生きるということを教えてくれた。だからNYで思い出したのかもしれない。べたべたのアジアンメロディーをANNEソロジーとしてまとめたい。どこの空から見ているだろうか。きっと中国の空とNYの空は近いはずだ。
人は空に向かうと心が自由になり、創造的になれるようだ。

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