大真面目な人をホグホグ

どこから見ても大真面目。硬い!と周囲から言われるような人。時々お見受けする。いわゆるガチガチの、表情が緩むことはなく、何か意見を求めると「昨年もそうだったから(前例もないことですし)、前回どおりでいいのではないでしょうか?と答えてくれる人。言葉に抑揚がなく電話で話しているとよけいに見えないので相手に誤解されてしまうこともあり、損をしているような感じを受ける人・・。でも言われたことは、きちーんとする。称賛しても、反応は薄い。きっと人前で口を開けて笑うことはないのではと思う感じ・・。と、そのようなタイプの人とチームを組んでの仕事が決定。本当に真面目でいい人だと思っているので、こちらも真面目になんでも直球で会話のボールを投げる。仕事の連絡も「ああやりましょう、こうしましょう・・、これをした方がいいと思います」とメールでボンボン投げる。かえってくる球は、事務的な返事。大丈夫かな?あんまり言うので不愉快に思っているのかな?怒ってないかな?と思えてくるが、ま、まじめな人だからおとなしいだけだろう・・と思い、後日やっとご対面。メールでやりとりしているときと変わらない。「いやー、不愛想なメールで失礼しました~」なんて打ち解けはない。静かな会話だ。相手は必ずこちらが言葉を発するまで無言で私をみつめる。・・・二人の間でなんとも言えない空気。黙っているのもおかしいので、いつもどおり元気に話しまくる。冗談のようなことを織り交ぜ、場を盛り上げようとするが、それを折り目正しくじっと聞いている。返事を丁寧にしてくれるが、議論にはならない。やっぱり議論というかもっとコミュニケーションがしたい。と、この人を崩しにかかる。「あのさ、もっとチームとして仕事したいと思うし、●●さんも思うことがあったらどんどん言ってくださいね」「はい」。また沈黙。お互い目を見ている。もう笑い出しそうだ。相手も実は目の奥で笑っているのがわかった。これで大丈夫。少なくとも嫌われてはいない感じだ。「今回の仕事、どうですか?ぶっちゃけ教えてくださいな」と切り出すと「そうですね~・・・・・」とやっと少しフランクに話してくれた。その内容に相槌をうって聞いているとなんだか表情がほぐれてきたような・・。「この仕事は私たちチームですから、助け合ってがんばりましょうね」

というと、また真面目に「はい」。その返答ぶりにも慣れてきた。真面目な人は何かその奥底に何かお宝があるようで、興味深い。芯が強いのだとも思う。とにかく大真面目な人であり、打ち解けるまでには根気が要るが、表面的な人よりずっと好感をもつ。これから一緒に取り組む仕事で、お客様だけでなくご本人にも刺激になるよう、楽しく取り組もうと思う。彼をもっと崩すのがひそかな目標でもある。いかに彼を笑わせるか。そして一仕事終わったら、笑顔で握手しよう!

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク