ところ変われば変わる、喫茶のひととき。

日本でユニークな喫茶文化を有しているのはわがふるさと、岐阜やご近所、名古屋である。とくに岐阜市は喫茶消費量が全国一と聞いた年もあったほど。とくにモーニングサービスは特筆すべき、伝統的な食文化であり、コミュニケーション文化。そこそこおいしいコーヒーにおまけ、ゆったりできる空間があれば、朝はもちろん、昼も午後も夜も喫茶店はにぎわう。あまりに競争が激しくて、モーニングサービスの戦いはコスト割れしないか、本当に商売になるのかと心配するほどだ。とにかく岐阜の人は、ひとりコーヒーを楽しむ以上に、おしゃべりのために喫茶店に集う。コミュニティの場として定着しているのだ。そこらが都会のスタバなどのサードプレイスとは、少し意味合いが違う。

さて、都会のソウル。今、かつてないカフェ乱立、競争時代に突入している。と、事前情報はあったものの、久しぶりに訪ねて確かに、確かにとその店舗数に驚く。スターバックスもこんなに出店してよいのかと思うほどに、コンビニのように乱立している。そしてローカル、個人経営のカフェもあり、ビジネス競争が日本以上に激しく、厳しいソウルではカフェの利用はいかに?と思いきや、びっくりする光景に遭遇。

ビジネス街のローカルなおしゃれコーヒー店舗。12時すぎ、お昼の休憩時間だ。次々と男性ビジネスマンが入ってくる。女性ではなく、男性だ。しかも一人ではなく二人、4名以上も・・。そして店内を見渡すと男性客が7割以上。しかも一人でコーヒーを飲んで新聞読んだり、スマホいじりではない。みんなだれかとおしゃべりしている。店内は男性の低い話し声が響き渡る。甲高い女性のおしゃべり、笑い声よりは心地悪くないし、意味がわからないのでBGM的に流せるのも良い。

こんな光景は東京では見ない。カフェではみんな静かにしているものだというそんな思い込みがあるが、韓国では男性がいっぱいおしゃべりしながら、コーヒーを楽しんでいるのだ。昼休みの息抜きがおしゃべりになっているのか?

そして13時前になると、心もちすっきりした感じで、飲み残しがある人はコーヒーをテイクアウトして店を出ていく。

ところ変わればカフェ文化も変わるもの。そういえば、以前ソウルの地下鉄で若手の男性ビジネスマンと議論させられたこと?があったのを思い出す。あやうく口論になりかけた。日本ではありえないことだ。

彼らは、語りたい!のだ。コミュニケーションがお好き?見方によっては健康的だ。夜、飲んでしかコミュニケーションしないどこかの男子文化とはちょっと違うかも?

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