先に書いた、ある映画俳優のトークで印象に残った言葉を、自分なりに解釈し直してみる。
もうこの時代、映画俳優という職業はなくなりつつある。もうテレビ俳優しかいない。正直、テレビ俳優の質は低い。
なぜか、テレビは観たいときに観て、気に入らなければチャンネルを変えるだけ。そしてそれは無料。
それに比べて、映画はお金を出して、わざわざ観にきてくれるお客さんだけが相手。だから違う。
と、そんな話をされた。とても納得し、また共感する。お金を払っていただいて来ていただくという背景には演者への関心と期待、応援がある。だから、絶対にそれに応えなければならない。映画となれば、あの大スクリーンにアップで映る表情ひとつ、セリフひとつが「さあ、観てやろう」とやってきた観客に注目、凝視されるのだ。その期待に応えるために映画俳優は努力した・・とのこと。
今は一億総活躍というが、一方一億総素人か?と思ってしまうほど、それが良しとされている面もある、ぬるい時代だ。厳しい時代を生き抜いてきたその映画俳優など、ホンモノの表現者からするとどんな居心地がするのだろうか。これも時代とあきらめながらも、苦々しい気持ちでおられることだろう。
タダほど、怖いものはない。人間の成長を阻み、ときには堕落させるのだ・・。有料の芸をもっと意識し、学ばせていただこう。自分自身も成長するために。