新潟には多くの弟たちがいる。自分ではその一人一人に対し、そんなつもりで接している。
出会いは、学びの場。どうしたら自分の仕事がうまく伝わるかという命題についての問いかけをいただいてからのおつきあい。
そこから人生そのものについての考え方を交流したり、そんなところにもおせっかいしたり、心配したり、応援したり・・。
実にさまざまな職業の弟たちがいる。
そのなかのひとり。彼との出会いは、仏壇磨きという仕事を地域に知らしめたいと訪ねてきたことがきっかけ。その後しばらくご無沙汰していたが、久しぶりにまた再会。今度は現代社会のライフスタイルに合わせた国産仏壇のお店を立ち上げたということで連絡をいただき、マスメディアへの取り上げも含め、発信の応援をさせてもらった。
そして、やっと気になるそのお店を直接訪ねることができた。もともとは金仏壇の製造を修行しながら習得し、のち唐木仏壇のことも勉強、そして今浸透しつつある現代仏壇も取り扱うようになった。販売するだけではなく、ご要望にあわせて創ることができるというのがすごい。仏壇とはいろんな職人たちの技の結集であり、それを形にしていく仕事とは素晴らしい!
仏間クリエイター?という表現もしているようであるが、仏壇や仏間をクリエイトすること自体を優先するのではなく、一番大切なのは毎日、仏さまに手を合わせることだと教えてくれる。
どんな時代になっても、毎日手を合わせる、そして心を落ち着かせ、自らを静かにみつめ、1日を過ごす。そんな生き方を伝えたいのだという。仏壇に対する知識人であり、実際に仏壇を創ってきた職人であり、そして仏壇のお洗濯、クリーニングという長く大切に使うためのサービスも手掛けている、まさに仏壇の総合クリエイターだ。
彼のお店に展示してある仏壇たちは、いわゆる伝統的な金仏壇的なものではなく、現在の住空間に自然になじみそうな仏壇がほとんどである。しかも国内の職人たちの技が生かされ、緻密であり、安心の仏壇。
いろいろ質問をすると熱く語ってくれる。そして過去自分がつくった仏壇の装飾を見てほしいと、写真を見せてくれたり・・・。
祈りを大切に・・・。そのためのツールとしての仏壇。時代の変化とともに変わるもの、変わらないものがあるということを改めて感じながら営業時間をとっくに過ぎても話は続く。
その道に飛び込む。と、そんな熱い生き方をする青年を尊敬する。私ももっと飛び込まなくちゃと思えてくる。
彼の善意に満ちた素晴らしい仕事により、祈り、感謝を忘れることなく元気に生きる人が増えることを心から願っている。
店名は「仏乃蔵」。見た目はカフェギャラリーなのに、仏壇専門店。いろいろわいてくるアイデア・・・またおせっかいをしそうだ。
祈りのための天職に生きる、情熱青年へのエール
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