三鷹で展覧会が開催されている、当地在在の画家、米谷清和の存在をNHKの美術番組で初めて知り、この画家にゆかりの渋谷、新宿、三鷹をテーマに描いているそれらの作品に出会いたく、即、会場へと足を運ぶ。そして久しぶりに現在日本人画家の力量にノックアウトされた感の満足を味わう。東京の三都市を独自の視点で捉えられている。地方から出てきたいわゆる田舎もんにとって、新宿や渋谷という大都会の玄関口で思うこと・・・がダークな色彩と描かれた人々の無表情さから強烈に伝わってくるのだ。地方から東京へ出てきた人間にわかるショックな描写。希望を持ち、夢に満ちてやってきた東京という町がゆがんだり、悲しくなったり・・大都会のマイナス面をなぜかダイレクトに感じる作品が並ぶ。NHKの番組を見て、すぐ会場に行こうと思ったわけ。それは作品のユニークさだけではなく、その方の語り口にあった。インタビューで印象に残った言葉がある。「東京に初めてきたとき、新宿駅に降りたったんです。あまりの人の多さにショックを受けました」「自分が何を描きたいのかについては、頭が決めるよりも、気持ちがそうなっていくのを待つという感じですね。」などなど・・・共感することが多い。何か、理性だけでなく、肉体で感じ、心で感じ、表現せねばと強く自らのなかに沸いてくる、制作への情念・・・それを強く感じた。
今、自分の道を考えるとき、この内から湧き上る、よし!という感覚をとても大切にしたいと思う。
その湧き上る状態になるには、いろんな経験と刺激を受けることが大切だ。
頭で決めても感動的なものはできない。
絵画だけでなくすべてのアートがそうだと思う。
それにしても、地方から東京に出てきたからわかること、見えることがあるんだ。そのことにも多いに感動。改めて、今感じることを大切にしようと思った。
東京に出るアーチストの行動を決めるもの、導くもの
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