「ゆうこう」で友好。心あたたまる贈り物

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長崎の外海地区。遠藤周作文化館がある、長崎市のはずれ。喧噪という言葉がまったく思いつかない静かな祈りの地。かつては隠れキリシタンの居住地域であり、ここから五島列島に人々が信仰の自由を求め、海を渡った。そして明治以後、キリスト教布教が認められた後、この地にはフランス人宣教師が住み、布教とともに人々の暮らしを支えた。
その教えを受け継ぎ、そこで歴史を語り継ぎ、祈りをささげるシスターたちがいる。たまたま彼女たちが働く施設を訪問した際に出会った。明治時代、ド・ロ神父が自国から取り寄せたオルガンを弾かせてもらったのがご縁。
あの雪の長崎コンサートの日、この外海からは移動できずに、参加できないという報せがあり、それならばとCDとマカオのお菓子などを贈る。マカオと長崎も、ザビエルつながりで関係ありますよ・・なんて便りを添えて・・。いただいた参加費はこの施設の保全にと寄付もさせていただく。
その荷物がついたあと、写真のような贈り物が届いた。
なんと、この外海で収獲される、「ゆうこう」というかんきつ類。初めて見たし、聞いた。
この地でのみ収獲されているというから、ド・ロ神父か、はたまた隠れキリシタンと関係あるのか?
はわからないが、この皮をピールにしたもの、ジャム、と一緒に送っていただいた。
丁寧に箱詰めされ、そしてシスターからのお手紙。
喧噪の東京で、この外海からの贈り物が届くと、心が静かにキレイになっていくのがわかる。
世界遺産登録がいったん取り下げられたので、どうやら現地では大変なようであるが、その様子もなんだか浮かんでくる。
ふとした出会い。ささやかな交流。遠藤周作も愛したこの外海のことを思いながら・・。
ありがたいひとときを頂いた。シスターたちの純粋な生き方からは教えられることも多い。
またあのオルガンに出会いたくなってきた・・。

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