「もしも、私があなただったら・・」という思いで

わがラジオ番組「愛の元気人」には、「コミュニケーションなんでも相談室」というコーナーがあり、毎回お客さまから寄せていただく相談やお悩みを録音したものに対し、私がスタジオで答えるというスタイルで構成している。文字で読むだけのお悩みではなく、言葉で聞くお悩みということで、その人の声や話し方、抑揚、テンポなどでその人の状況が透けて見えるようで、とてもわかりやすい。
そして、問題はその相談内容。軽いノリで楽しく答えられるものももちろんあるが、真剣に考えたり、悩まれている内容のときは、なかなか答えもむつかしい。ましてやデリケートの問題で、さらに自分に経験がない場合はとくに・・。
しかし、答えなければ・・・。収録前にいろいろ調べることもある。こんなときネットは便利だ。しかし、そこに書かれていることは情報のひとつでしかなく、自分が答えたい、答えるべき回答とは違う。
そこで、現在までにたどりついた方法。それは、とにかく想像をよく働かせるということだ。
そのときのポイントは「もしも、私があなたの立場だったら・・こうする だろう」という視点。
できる限り、相手と同じ状況にいる自分になって、一緒に悩み、その抜け道を考える。
自分がもしも、こういう立場のこういう人だったらどうするか?かなり真剣に考える。自分のことのように考える。
自分だったら、自分だったら・・・と疑似体験する。思いきりイメージすることで答えが自分なりに見えてくる。
そして会ったことのない、そのお悩みをお持ちの方のこともお会いしたことのあるような、勝手に友達になったような気持ちも生まれてくる。
ラジオで答えるときには、最初に言う。「私にはその経験はないので、答える資格はないかもしれませんが、もしも私があなただったらと思ってこたえますね。」そのあと、自分の考えた答えを伝える。
その人に寄り添って一緒に考えようということが解への道なのだ。
本件に限らない。
もしも、私があなただったら・・。世の中みんなそんな風に思い合えたら、もっともっと世の中良くなると思えてならない。
それにしても、コミュニケーションの悩みは本当にさまざまで、そして深い。まさに生きること自体に直結している。

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