昨年クリスマスライブの直後に富士山登山中に亡くなられたある経営者のことは前にも書いた。その社長を崇拝し、二人三脚で分身としてがんばってこられた社員の方と再会する。
お互いに思いっきり元気に!と心に決めて来たように、やたらにこにこ笑いながら挨拶をする。でも同時に、お互いの目に涙がにじんでいることはお互いにわかりながら、それでもいつも以上の笑顔で元気に話す。
そして、今年の仕事をどう進めるかについて話をする。だんだん、悲しみを忘れて、いつもどおりの熱い議論になってくる。
熱心にメモをとられる。あれやりましょ、これします。これ、こうしたらどうかな・・。いつもどおり盛り上がってくる。
「社長がしてほしいことをわかっているのは、〇〇さんですから、それに向かって、周りの方にどんどん働きかけて一緒にがんばってくださいね。社長は見てくれていますよ。ほら、今もここにおられるようですね」
と話すと、彼女も「社長見てくれていますかね~」と返してくれる。
家族や上司。かけがえのない存在をある日突然なくすというのはどんなに悲しいか。時間の経過ととみにそれはいろいろ変化していくことだろう。
ご本人でなければわからない感情・・を他人はどうすることもできないけれど、少なくとも、今は最後に「頼もしい部下をもって幸せです」と言われたその部下である彼女を、精一杯応援し続けることが今できることだ。
「本当に素晴らしい社長でした。怒りたいときもあっただろうに、いつも言葉をいったんのみこんでから冷静に話しておられました」
そんなことも語ってくれた。部下はいつも、見ているんだ。
そして、今は社長が空から見ているんだ。だから、いつも相談すればいい。相談の仕方は変わるけどね。自分で答えをもっていないといけないから。でもいつも応援してくれている。
そっと彼女とある約束を笑顔で交わす。だから1年、元気にがんばろうね!
大切な人の死は残した人を強くすることができるだろうか。そうであってほしいし、自分もそうでないといけないと肝に銘じる。
社長は空から見ているから、がんばろうね。
カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク