牛さんは休みがないですから。

最近、応援している酪農家さん。新年早々もお会いした。
これまで新年のあいさつ、会話では「お正月はゆっくりお休みになれましたか?」
というのが通常だとある意味あたりまえとも思っていた。
だいがいの企業、個人はお休みというのが正月三が日。もっとも最近はコンビニは無休であるし、デパートやスーパーも元旦から営業ということで、正月のありようも変わってくるが、それでもおおむねお休みという理解をしている。
今回、酪農家さんとの会話。家族経営で普段から大変お忙しいのを知っているだけに
お正月ぐらいは・・と思い、「お正月は少しは休めましたか?」と声をかけたら先方さんはにやっと笑い、「いやいや、牛さんは休んでくれませんから、元旦から通常どおりですよ。」とおっしゃった。私はとても恥ずかしくなった。
そうだ。搾乳という仕事に休みはないのだ。毎朝起きる、食事をする・・・といった日々の生活と同様に、乳搾りも毎日の日課なのだ。
しかも1日1回ではなく、朝夕と2回。多いときは3回のときもあるとおききする。
今、酪農業界は大変ときく。飼料の費用が高く、また製品の性質上、日持ちがしない。売れなければ廃棄するしかない。牛乳1本買う金額に見合わない労力もお金もかかっているのがこの酪農の仕事だ。
それでも、皆さんで力を合わせてがんばっておられるその前向き、ひたむきな姿に頭が下がる。
後継者不足にも直面するこの世界。そのなかで奮闘される今回ご一緒させていただいている酪農家さんのことを、今年もより一層応援し続けたい。
人間さまも、うかうか休んではいられない。

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