先端への憧れと寂寥と

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青森。2~3年前までに仕事で何度か県内各地を巡り、今回久しぶりに寄ることにする。以前宿泊した駅前の老舗ホテルが廃屋になっていたのは大変残念であったが、駅前商店街の衰退、観光客の減少などからすると予想できたことでもあり、それが現実になっており、寂しい感じがする。
真ん中と先端・・・。岐阜生まれ、海なし県に育った私にとって、先端、端っこで周囲が海というロケーションはロマンの象徴でもある。昔は青函連絡船でみな、本州と北海道を行き来したのだ。
先端は出発であり、ゴールでもある。太宰治もこの本州の最北端に立ったことがあるそうな。

青森は、私にとっては甘酸っぱい青春の町のひとつでもある。そう、まるでりんごのような・・。そんな味の町だ。約30年ほど前青春18切符で乗り継いでやってきた記憶がある。ねぶたのはじまる少し前。夏の賑わいがこれから始まるという青森は、祭りを待つドキドキ感があった。それに比して冬にここを尋ねると次は厳しい冬に備える静かな覚悟のような張りつめた空気をも感じる。

最先端というのは、いかにもロマンチックで、出会いと別れ、解放感と寂寥感の両方を感じるものだ。
でも、本州最北端は、先に北海道があるので、先が見える安心感がある。
北海道に向かう海を見ながら、今年の自分の軌跡を見つめなおす。

地図どおりになっているな~と地形をそこに立ち、リアルに見ることはとても楽しい。そして、ずっと歩いて地形をみて地図を作った人は本当に偉大だと感心もする。
まもなく、ここに新幹線が開通するとのこと。
地下トンネルを高速で走っていくと見えない、先端の感覚。
この景色を目に焼き付けておこう。時々先端に立つ。自分が大地に立っていることを実感する瞬間でもあるから。

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