「今年のうちに、行かなくっちゃ」

1年半ぶりに大船渡をたずねる。マイオリジナルソング「かもめりぃ」のふるさとだ。この曲がアルバムに入ったこと、そのアルバムができたので、地元でお世話になった方に報告したいとの思いでの訪問。
来年になっては意味がない、今年できたことは、今年のうちに報告し、感謝し、そして次につなげる。形になったら行こう、行かなくちゃ!とずっと思っていた。そのことがやっと実現した。
いつも大船渡に行くたびに、何から何からお世話になる方がいる。ありがたい。車に乗せていただき、市内の目的地に出向く。
地元新聞社をたずね、そちらの記者やコミュニティFM局のスタッフにもお会いし、いつの間にか取材モードになる。
そのあと、2年ぶりに大船渡の町の変化を見に行く。まだ仮設住宅が多数あり、流された住宅の跡地が広大な空き地となって残っており、いたるところで工事が進んでいる。改めて、被害を受けた、免れたの境界線はまさしく紙一重であることを知り、それがそれぞれの人生の分かれ目になっていることを知り、心が痛む。まだ復興半ば・・そのことを改めて感じながら、1年ぶりに目的の老人施設をたずねる。ここでのライブがきっかけで生まれた曲が入ったCDを届け、報告、表敬訪問のつもり・・が、中に入ったとたん、コンサートの会場にしつらえてあることを知る。入居者の方たちが椅子に、車椅子にのり、大勢が私の登場を待っていた。あれ?今日はライブに来たのだった??
思わず今日の訪問目的を確認してしまう。そう、どうせ来たならば演奏した方がいい・・・とは思っていた。だから、違和感なくにわかに演奏を始める。1年と4か月ぶりの大船渡でのミニライブ。お年寄りたちが手をたたき、喜び、泣き、ある人は音楽の効果か、どなたが大きい声で眠いと言い始める。(笑)そうそう、これでいい。
クリスマスソングからシャンソンそしてオリジナル・・・最後は完成した「かもめりぃ」で締める。わずか15分のミニライブの完成だ。多くのあたたかい拍手をいただき、急いで帰路につく。
今年のうちにいかなくちゃいけない、しなければいけないこと。その仕上げに入っている。
大船渡にきて、自分なりの課題をひとつこなした。よし、明日は次の「今年のうちに・・・」にとりかかるとしよう。

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