「心ない」行為はいかんぜよ!

近所の和菓子屋さんの外に小さな盆栽たちが置いてある。それが自然であり、お店と一体になっていた。その店の素敵なところは、お店の一角に小さなショースペースをもち、そこに季節の伝統的な飾り付けをしているところ。まもなくお正月の飾りになる頃だ。小さくても工夫しているな、季節を感じるな~と、地域密着の和菓子屋の原型を見ているようで、とても好感をもっている。
そこにふと大きな張り紙をみつけ、足が止まる。「ここの石を持って行った方、ここに戻してください!父親の形見です!」と書いてある。
ああ、店のしつらえのために飾ってあった石をどこのだれかが持ち去ったのか。信じられない。人通りがない道ではないので、そんなことできないはず。でもないということは・・・。どんな思いでこの文書を書かれたのだろう。静かな怒りが伝わる達筆な筆書きだ。
その主人の気持ちを思うと、いたたまれなくなる。とった人はまさか、形見であるとか何も考えずにもっていったのだろうが・・。すぐに返してほしい!なんでそんなことするの!と怒りを覚える。
世の中に、自分の好きなように、また自分のすることのほかへの影響を考えずに、「悪気なく」信じられない行動をする人が増えていることを残念に思う。悪気ない・・とは、言い換えれば心ない状態だと思う。この行動をしたら悲しむ人がいる、困る人がいると思えば、やらないのは当然のこと・・であるが、そんなことまで考えない自己中の社会なのかもしれない。
あの貼り紙を見たら、ずっと気になってしまう。貼り紙が早く剥がされる日を願っている。
と、何気なく暮らす街に「心ない」現場をみつけると、とても寂しく感じてしまう。
互いに気遣い、思いやる・・・そんな当たり前の社会がいい。もっていった人、はよ、返してあげてー。

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