企業さんに広報の大切さについて、ずっとお伝えしているが、広報とは伝えるだけでなく、聴くということでもあること。真の理解を得るための相互コミュニケーションであることを伝えると同時に、なんでも伝えればいい・・ということではないことも合わせてお伝えすることも忘れてはいけない。
情報発信することがたやすくなった現在、誰でも容易に発信できる。軽いノリで、カジュアルに幅広く、薄くコミュニケーションをすることで、他者との敷居を低くするのは良いが、トップシークレットのこと、知られてはまずいこと・・・などは発信することが逆効果になる。さらに、まず知らせる・・・が優先ではなく、まず事業の中身をしっかり固めることが先であり、それをしてから伝えるということになる。とにかく むやみに発信することは避けるのが賢明だと思っている。
最近は、世界のニュースでテロに関する各国の情報が発信されているが、これらのニュースひとつとっても、何を発信するかの判断は難しいと思う。発信する内容により、ある国民は安堵するかもしれないが、それを敵も見ているわけで、違う解釈で次の作戦を企てるきっかけになることも当然ある。広く伝えるとは、広く伝わってしまう。ということである。
だから、つねに自分の行動の目標に即して、適切に判断し、適切なことだけをきちんと発信することが良いと思う。
自分のことを、メッセージを誰に、どこまで知らせたいか。そこを熟考するよう心がけたい。
もちろん、多くの人はそこまで深く考えていないかもしれないが・・・。
広報には覚悟と理性が必要だ。そうでないと意図に反した展開になり、足元をすくわれることもあるかもしれない。
「どこまで伝えるか」の覚悟と理性。
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