心の季節風を感じる秋。

この季節になると喪中のハガキが届きはじめる。届くたびに悲しい気持ちになる。これを出された方の思いを思うとたまらない。ある方は、98歳でお母様が亡くなられたと、写真付きで届いた。
また年賀状をくださった方が、亡くなったという報せが届き・・。
春夏秋冬で1年であるが、春や夏には感じない、何ともいえない寂寥感に包まれるのがこの季節だ。きっとこのハガキたちのせいでもあるのだろう。
いつか自分も出す人になるのかな、出される人になるのかな。と想像するだけで悲しくなる。
と、そんなことを思うのが晩秋だ。
心には季節の風が吹く。春になれば、よしやるぞー、夏になれば、もう暑いな~がんばろう~。
秋になれば、冬になれば・・。
季節ごとに、心に違う風が吹くのだ。
お母様が亡くなったという方に、お手紙とCDを添えて送ることにする。
そんなものじゃ、寂しさが紛らせないと思うけれども、少しでも心にあたたかい風が吹いたらいいなと。
人は自然界とともに在る。そのサイクルのなかで、生まれ、育ち、そして朽ちて、終わる。
それだけのこと。と思えばいいが、どうもまだまだいろんな諦めが付かないお年頃だ。
周囲の皆さんが、無事で元気に今年残りを過ごされるように。私自身も、もちろんそうあるように元気いっぱい生きていこう。人は季節風に耐えながら、たくましく、強く、そして豊かになっていくのだろう。

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