遠き隣国に学ぶこと、それを越えるべきこと

アメリカで数年前から人気の高級ハンバーガーのお店が日本に進出したことが報じられているが、まだこのような話題がマスコミネタになるのかと思う。ファッションにせよ、ITにせよ、食にせよ、流通にせよ・・日本ではアメリカから輸入されるもの、ことにいち早く、また敏感に反応し、そのビジネスを日本でも拡大しようとする・・・40年前に日本に上陸したファーストフードが今や国内では・・という状況でも、それでも日本人は「アメリカ発の新しいもの」が好きだ。好きと思うように擦り込まれてきた戦後70年なのかもしれない。
アメリカの存在なしには、戦後の日本の成長はなかったのも事実であり、また私自身もアメリカに住む人々や、町々の個性はとても好きであり、それこそ、よき隣人~ともだち~でいることに反対ではない。
そう、マーケティングも、セールスプロモーションも、パブリックリレーションズも、全部アメリカが教えたことだ。
だから、アメリカに学ぶことも多かった、そんな時代を生きてきた。
一方、11月11日たまたまNYにいたら、その日は「VETERAN’S DAY」だということを知る。これは退役軍人の祝日であり、ワシントンのアーリントン墓地ではセレモニーが執り行われ、NYでも五番街でパレードが開催された。そのパレードを間近に見て、驚いた。楽しそうにパレードする退役・現役軍人およびその関係者、家族たち、そして通行止めになった五番街を挟む通行客の群れ・・・が小さな星条旗をもって、この日を祝福している。その姿に「ザ、アメリカ」を感じた。
アメリカは戦争をもって、国内のアイデンティティーを高めてきた歴史があるのではないか。この退役軍人の日は、第二次大戦の勝利を讃えているだろうし、アメリカでは戦いに関する結束力が高い国。
人種が異なる人たちが集まる国では、日本のように単一民族の国と違い、一定の価値で統率していくことはむつかしく、(現在では、その日本ですらこの情報化社会下ではむつかしいが)、そこで「戦いに勝つ」ということは勧善懲悪を好む国民性に合致し、また戦いに挑む人はヒーローなのだ。
この様子を見て、アメリカと日本は違う背景があることを改めて考えさせられる。文化交流や民間交流やビジネス面での交流は大いに結構であるが、近くなりすぎると間違うことがあることもある。
911での経験を今、改めて思い起こしながら、アメリカのマスメディアの役割も横目で見ながら、いろいろ憂うこともある。
アメリカではいいこと、日本では必ずしもそうでないこと、似合うこと、そうでないこと。
起源と歴史をみながら、隣国の友から学ぶことは多い。
それにしても、星条旗をうれしそうにはためかす若者。日本ではなかなか見られない光景。
ある意味、わかりやすい国ではある。

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