やはり、ここはパワーの仕入先。

今年初めてのNY訪問となった。かなり久しぶりな感じであるが、いつもどおり、朝のスタジオ練習から、流通・フードサービスリサーチからファッショントレンドチェック、ディスプレイのチェック、アートの勉強などコミュニケーションクリエイターにとっては仕入れるものが本当に多い町である。商品だけでなく、店だけでなく、人を見る。ホームレスからレストランで働くスタッフから、バリバリのキャリアから、ダンサーから・・人種も世代も本当に多くの人に出会うことができる。
久しぶりにCHICAGOも観る。いつもこれを観ながらパフォーマンスの勉強をしている。表情や姿勢、芸人魂を学ぶ。ダンスはまねできないが、表現力豊かにはなれそうだ・・と勝手に思っている。彼ら彼女らのパフォーマンスを観ていると、その技のすばらしさや演奏の技量に感動するだけではなく、演じているその人自身に興味が湧いてくる。そしてその人が集中・夢中になるのを観て感動する。それぞれいろんな苦労を背負っていたとしても、笑顔で踊っている。なぜ笑えるのか、それは多くのお客さんが来て、自分を見て、楽しんでくれていることがわかるからだろう。どんな苦労を背負っていても、悲しみがある日であってもそんなことは関係なしに演ずる。笑顔でいながら、涙や怒りや不安や孤独を芸に思いっきりぶつけているときもあるかもしれない。その健気さというか、なんというか、芸に集中するその仕事ぶりに感動するのである。自分もそうでありたい、そうでなければならない。何があっても笑って楽しく演じる・・・。
いろいろ想像しながら、ステージに舞う、歌う人たちの真剣な表情に号泣する。ああ、やっぱりこれだ、間違っていない。
もっとパワフルに。元気にがんばらねば。NYは私にとって四半世紀以上、最大のパワーの仕入先だ。
知識、情報、手法、感性・・・いろんなものを手に入れる。そろそろNYはクリスマス商戦がはじまる。その直前というこのタイミングもなかなかだ。

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