ザビエルさんのスポットライト

1550年に平戸を訪れたザビエルはどんな気持ちでここにやってきたのだろうか。自らがポルトガルを出発し、インドのゴアからある青年との出会いがきっかけで実現した日本との出会い。滞在した時間は長くなかったと聞くが、ここを拠点にして本州への旅、そして各地での布教活動も行われた。ザビエルはこの平戸を2度も訪ねた。この空を見て、海を見てきっと自分が出発したリスボンの港を思い出し、自らの長い長い旅をふりかえり、そして旅の本当の出発点である自らのふるさとのことを懐かしむこともあっただろうか・・・。
妄想から始まったザビエルプロジェクト。平戸でのコンサートの遂に、念願の本番の日を迎えた。当日、会場にはポルトガルの旗もはためき、捕鯨と隠れキリシタンで知られる町 生月は国際色豊かな日曜を迎え、また文化の日ウィークにふさわしい秋の日となった。
「国際フォーラム キリシタンの世紀と世界遺産」。学術的文化的にこの長崎県平戸の信仰の歴史を知り、現在も祈りを続ける地元の人々に接することができた貴重な機会。わが担当のオープニングコンサートはおかげさまで、無事多くの拍手をいただき、終えることができた。このタイトル「ザビエルにささげるうた」で構成した企画ははじめての取り組みであったが、会場も一体となり、またコンサートに続くリスボンの大学教授らが語るフォーラムともうまくリンクしていたようだ。平戸市の記念すべきイベントは盛況に幕を閉じた。大変貴重な学びの場に参加できたことを、誇りに思い、これからも愛の元気人として走り続けようと強く思った。演奏中、ザビエルさんが見守ってくれていた。ある方が公演前に、「マーサさん、平戸ではザビエルさんが微笑んでいますよ」と言ってくれたが、そのとおりに思えた。彼がスポットライトとなってステージの私を照らし見守ってくれていたのだと思う。
平戸生月島。また近いうちに、きっと訪れる。そして、わが妄想&行動はまだまだ続く・・・。
添付は当日の演奏プログラム。
平戸2平戸1

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