どことは書かないが、国際的にも有名な飲食チェーンの売り上げ不振が続き、閉店も続いている。そして立地が決して悪くない近所にある2つの店舗が同じ日に閉店するとのこと。それを店先の大きなバナーで知る。大きなバナーといえば、新商品とか開店とか、キャンペーンとか
プラスの情報発信の機会に使うツールだと思うのだが、ここではその大きなツールを使って、さもうれしいことのようにこの2店舗同時閉店を告げている。しかもその閉店記念の企画も掲載されており、閉店までの期間、この2店舗でのスタンプラリー開催とか書いてある。まったくの意味不明。ぱっと見たら「同時開店」のお知らせか?と思うほどのインパクトで、瞬間、わが目を疑い、そのあとそのバナーを考えた、企画を考えた人を疑い、会社を疑った。
長年その地に店を構え、営業不振で撤退しないといけないという現実は地域にとっても、会社にとっても残念無念のことであり、もっと静粛・厳粛にこの現実を見据え、長らくお世話になりました・・・ということにならないといけない。
閉店までの1秒でも売り上げを上げようという焦りなのか、あるいは販売促進の意味をまったく理解していないか、申し訳ないが、だからこの会社はダメなんだ。と改めて思ってしまった。
開店するとき、スタートするときはどんなことでもみんな景気よく、元気いっぱい、大判ふるまい。でもとくにそこからがスタートで、日々の積み重ねで商売は続くか否か・・となる。そして縮小・撤退という悲しい結論としての閉店であれば、それにふさわしい店じまいがあると思う・・。だからダメなんだ。と思われる会社はかなり重症だ。販促という方法を間違ってきた、マーケティングを間違ってきた、お客さんを見ていなかった・・。マスプロダクト、マスプロモーション、マスセールス・・偽装、不誠実・・。結局ひとりひとりのお客様を見ていない結果こうなったのだ。なんだかとても悔しいような、悲しいような・・・そこで一生懸命最後の営業日まで働く社員の気持ちは・・・。と他人事ながら思ってしまった。始まりよりも、終わりが大切なんだよ。それが次につながるのにね・・。
近所で24時間営業していたお店の灯りが消えることで、町に静けさが戻る・・・。なんともいえない。
「始まり」以上に「終わり」が大切。
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