「いのちが燃えている」

初めてお会いした中国人の方、ライブでは最前列の席にお座りいただき、同行した仲間に同時通訳をしながら、私の演奏をしっかり聴いてくださり、ところどころ泣きながら聴いていてくださった。
彼女は最後に「あなたの音楽は命が燃えているようでした」と言ってくれた。この表現は、もしかしたら日本人だったらしない表現なのかもしれない。またもしかしたら彼女が母国語でそれを言ってくれたら少し違うニュアンスなのかもしれないが、私にとっては最高の賞賛のように響いた。確かに創られた世界でもなく、歌うという役割だけでもなく、ライブをやる以上はとおもって準備し、そこに立つには小さくとも覚悟があるし、おいでいただいた方一人一人にメッセージを伝えたいとの思いは、確かにある。
そのことがダイレクトに、そしてまっすぐに相手に響くことはとてもうれしく、ましてはお会いしたことがない、話したことがないお客様にそのことが伝わっていることはこの上ないはげみになる。
演奏から生き方が伝われば、本望だといつも思っている。そう私には超越技巧も、美貌も、商才もないけれど、全身で伝えたいことがある、そのことを彼女は素晴らしい言葉で表現してくれたのだ。いのちを燃やす・・・まさにピアフの曲と同じだ。
反応あっての行動の意味。だから、ライブ活動は、やめられない。

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