「にほんごでいいですよ」

JR岐阜駅からバスに乗り替え、移動しようとロータリーのバス乗り場に
着いたとき、外国人らしき若き男女が時刻表を見て、なんだか話していた。
インバウンド?観光?岐阜に来た?何か困っているのかな?と思い、
「May I Help you? 」「Where are you going ?」などと声をかけた。
すると、瞬間、どう言おうか?という顔をしたあと、
「 にほんご で いいですよ」とゆっくり言われ、
「なーんだ、話せるんだ」と三人で思わず笑顔に。
「ぎふこうえん に いこうとおもって います。このバスでいいですか?」
「ここでいいよ。もうすぐ来るかな」
同じバスを待つことになった。そこからしばしの会話。
「住んでるの?」「はい、住んでます」
このカップルはミャンマーからやってきた。
見た目20代前半に見える。
男性は、今は三重県で介護の仕事。女性は関ケ原方面の会社
で縫製の仕事をしているようだ。
「介護の仕事も、大変だね。えらいね。」
「はい、でも、たのしいです。いいひとばかりです」
「ミャンマーも大変だね、」
というと、二人とも少し憂いた表情になり、頷いた。
「ミャンマーの人は私も知り合いいたけど、皆あたたかいね。」
というと、笑顔に戻った。
「岐阜公園にいったら、お城もいいよ。あそこに(バス乗り場から
見えるところに)金ぴかの銅像立ってるよね。
あの人のお城が公園の上にあるよ。あの人が岐阜という名前を付けたの。
知ってる?オダ ノブナガという人」
「へえ。知りません。おもしろ」
とそんな会話をしているうちに、バスが来て、彼らが先に乗り込んだ。
ICカードをさっと通してバスに乗る。確かに住んでいる人だ。
同じバスに乗って10分ほど。岐阜公園が近づいてきた。
「次ですよ。」と彼らに教える。
そして、笑顔でおりていった。
「ありがとうございました!」
束の間の小さな国際交流?
勉強してミャンマーから日本にやってきて、高齢社会を支えてくれて
いる。
あどけない、純朴な感じがとても印象に残った。
20年後、30年後、世界は日本は岐阜はどうなっているのか。と思いながら。

彼らの人生が、しあわせであるように、母国に平和が戻るように。
いつか、安心してふるさとに帰ることができるように。



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