尊敬するおばあさんがいる。
母の親友でもあった方で、若い時から自営業を半世紀以上続け、
現在もデイサービスに行かれる日以外は、店番をされている。
知らない来客が、老人扱いすると、ちゃんと用事を言うようにと
しかりつけるぐらい元気で、まさにゴッドマザーである。
商売自体は、すでに次の世代にバドンタッチされているが、
とにかく店のご自身のデスクに座ること。
それは健康長寿の秘訣のひとつになっている。
この方、かおるさんと言う。
私の高校の先輩でもあるせいか、親しみと尊敬をもって
母亡きあとも、おつきあいさせていただいている。
かおるさんが通うデイサービスに時折演奏に伺っているのも
このご縁があってのことだ。
ひなまつりに、とお菓子を届けておいた。
季節の催事を楽しむことは、とても大切だ。
無事受け取ってもらったかなと気になっていたら、
しっかり電話がかかってきた。
「ありがとうね、気を遣ってもらって、悪いね・・・」
とにかく喜んでおられることが伝わってくる。
元気いっぱい、笑顔が浮かんでくる声。
100歳近くになって、自分で電話されるって、すごいこと。
自分の携帯で番号をプッシュして、話しをする。
まあ、少し言葉が重なったり、話が要ったり戻ったりすることもあるが
そんなことは、気にならず、とにかく気持ちを伝えようと
一生懸命話そうとされていう姿勢に頭が下がり、ありがたい
と思えてくる。
少し話がまわりくどくなっても、何度も同じ言葉を繰り返されても
傾聴する。とにかく、まもなく100歳を迎える先輩と
電話でコミュニケーションできることがありがたい。
かおるさんは、字が上手で絵も描かれる、手紙も時々いただく。
どんな思いで?と思うと、向き合っていただいていることが
うれしくなる。
三味線も演奏されるとも聴いた。すごいなあ。
驚くべき発信力、表現力、コミュニケーション力!
見習わねば!
そのためには、止まることなく仕事を続けること、
何かをやり続けること、関心を持ち続けること、学び続けること。
かおるさんの背中を見て、そんなことを思う、
来月はまたデイサービスに出向き、春のお祝いコンサートをしたい。
いつまでも、いつでも、電話をしてきてほしい人。
コミュニケーション力と生きる力は比例すると
薫さんを見ていて実感する。
百年時代は、まさに元気なコミュニケーションから!