心を込めて、魂込めて。

長崎でのコンサートが1週間後に迫ってきた。
いつもどおり、練習も、集客や演奏以外の準備もままならず
カウントダウンに突入。
ここまできたら、やるしかない!
と自分を追い込むところまで追い込む。
でも、集中できる時間がない、なんとかせねば。
本番前はいつもこんな感じ。

そんななか、小澤征爾さんが亡くなったのが2月6日と
のことで、追悼番組をやっていたのを知る。
そのなかで、「はじめて聴くお客さんにも、心を込めて
演奏すれば、必ず伝わる」と、学生たちに教えておられ
る様子を知り、思わず立ち止まる。
そうだ。どんな状況であっても、心を込めてやりとげる。
心がまっすぐであれば、かならず伝わる。
小澤さんの指揮は、全身からまさに心が透けてみえる
ような表情豊かなものだった。
アウトプットとしてのオーケストラの音色は、まさに
指揮者の心そのものを表現していた。
だから、世界中にファンが集い、弟子たちが慕った。

地元でもない、知人も少ない長崎でコンサートをやる
意味は、ここで愛と平和を自分なりに伝えることに
ある。私の気持ちを、伝えるためにやる。
ここでやりたい。このタイミングでやらねば。と
思ったのだから、それをやればいい。

お客様がたとえ、ひとりでも、百人でも、心を込める
ことは変わらない。むしろ、少なければその分、
ひとり一人に伝えることもできるかもしれない。

長崎に初めて行ったあの日。そこから出会ってきた
方々も足を運んでくださる。
これを機会に、わざわざ県外から足を運んでくださる
方もおられる。
何というしあわせなことだ。

今回はおいでいただく方皆さんに、心からのバレンタイン
の贈り物を届けたい。

そして、長崎でやってよかった。とお客様も自分も思えるように。
そのゴールをイメージしながら、
本番に向けて、そろそろ切り替えていく。

心を込める。魂を込める。
やはり、ここにいきつくのだ。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク