すべては出会うために。

わが人生は、本当に出会いに恵まれていると思う。
そして、気が付けば、出会うべして出会っている人との
関わりのなかで生きている。

自分が独立したばかりのときだったか、当時30代半ばで
今と違う勢いで猛烈に活動していた頃、当時50代後半の女性の方から
「最近名刺の整理をしているのよ。
もうこの年になると、人付き合いをそろそろ絞っていこうと思う。
たくさんの人と出会わなくていい。本当につきあいたい人との交流だけで十分」
そんな話を聞いたことを、今改めて思い出す。
人脈を広げることが大切と思っていた自分にはかなり新鮮な言葉であった。

確かに若いころは、いろんなところへ顔を出し、名刺交換をして
いわゆる「人脈づくり」活動を無意識にしていた時もあった。
サラリーマンから作家に転身したNさんからは、いつも
「今尾、死ぬまで営業だから」と言われたことも同時に思い出す。
会う人会う人にいつも、自作を紹介した手作りビラを名刺とともに渡し続けて
いたNさん。Nさんは営業しながら、書き続けた。
そう、Nさんは生涯人脈づくりを続けた。書く営業マン。あんな人は見たことが
なかった。そういう先輩に刺激を受けて私もがんばった30代。

そして、月日が経ち、当時の出会いを懐かしく思うとき、
大切な人たちとは、出会うべくして出会ったのだと確信する。
長くご縁が続いている人とのことは、とくにそうだ。

あの方との交わりがなければ、その出会いはなかった。
あの場に行ったのは、あの人に会うためだったのでは。
あの仕事をしたのは、あの方に出会うためだったのだろう。

最近、そんなことを繰り返し思う。

生きるとは、心が通い合う人との出会いを求め続けること。
この人のそばにいたい、見守りたい、一緒に仕事をしたい。
ずっと話したい。もっと会いたい。応援し続けたい・・・。
そんな人に出会うために、日々、旅しているような、わが人生。

昨日もそんなことを感じる出会いに恵まれた。

人生は観覧車のように、二回り目になって、改めて
人生は出会いのためにある。と強く思う。

多くなくていい、いい出会いは自然に現れる。

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