逆戻りする世界は描かない

誕生日に久しぶりのニューヨークに行く予定をキャンセルしてから、
アメリカは変わった。予想通り、予想以上に。
時計の振り子がぐるぐる逆回転している感じがして、
とくに昨日は、ニュースを見るのをやめた。

それでも現実を見なければと思い、もう一度見ようと思ったが
すぐ視界から消した。
見なくていい。見ない方がいい。
以前、日本でもそういう時があったが。

自国のことしか見ない権力者と、そのパフォーマンスに沸く
熱狂ぶりを異様と感じてしまった。
そして、怖いとも思った。

移民、難民と言われる人たちのことも思った。
SDGsのゆくえも・・・。

誰ひとり取り残されることのない世の中を・・・なんて言って
未来を描き進んできた、共生の世界は、とても遠くに見えて
しまった。

世界規模で一緒に地球を守ろうと言っている運動は
皆が参加しないと、意味がない。

「常識の革命」という言葉を聴いたが?理解が難しい。
常識が変わる。常識を変える。
どっちに向かって?
利己的な常識に変わっていくのであれば、それは一部の
人にとっての常識でしかないが・・。
それが本当に世界に通用するのだろうか?

アメリカが好きだったのは、自由な国だから。
多様性を認め、夢を求め、世界中から人々が集まって
きたから。
その移民の力でアメリカは成長を遂げたはず。
経済だけでなく、文化も、コミュニケーションも、

今は成長しすぎたコミュニケーションの力で
向かう方向は怪しくなっている。
とますます、不安に思う。
頭の中には、大好きなグランドセントラル駅の
時計は、ぐるぐる逆回りしている絵が浮かんでくる。

歓迎をしている人もいる一方、怒りと不安で
爆発する人たちも出てくるのではないか。

世界はさらに分断の方向へ進むだろう。

歴史は繰り返す、歴史は逆戻りする。
ではいけない。

非常に表現が難しいが、
遠い、大好きだったアメリカの正しい未来を
信じたい。

そのときに、憧れをもつ喜びを与えてくれた
NYに再び足を運びたい。

真の豊かさとは何か。
そんなことを思いながら、ブレずに生きていかねばと
気を引き締めている。
不吉な予感が消えないまま。

世界を見続け、自分の立ち位置、立ち方、進み方を
しっかり見極めよう。
世界は自分に無縁ではない。
世界をつくるのは、ひとり一人なのだから。


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