ニアミス ラッキーは永遠ではない。

30年前の朝のことを、今朝もはっきりと思い出す。
初めて訪ねた出張先 クアラルンプールのホテルにいた。
流れるテレビのニュースに、どこかで見た高速道路が
折れている様子に、瞬間頭がフリーズした。
「へ?あれ、どこです?へ?日本?阪神高速?何?」
同行していた一行も、
「神戸で地震らしい、えらいことになった。
帰れるか?」
私は、まさかの光景を見て、瞬間何が起きたかわからなかった。

日本で?神戸で?
生まれて初めて知った、大地震。

飛行機はなんとか予定どおり、関空まで飛んできたが、
その後、国内のアクセスがえらいことになっていた。
空港から京都に帰ろうとした上司たちは足止めを
くらい、自分は当時東京に住んでいたが、なんとか
羽田行の飛行機は飛んでいたので、無事に帰宅できた。

自宅に戻り、テレビをつけて、神戸の町の惨状を
知り、こんなことが起きるのかと、目を疑った。
さっき、そんな大変な状況が起きているなか、
自分は移動してきたのか・・・。良く帰れたな・・。
それにしても・・・。複雑な気持ちであった。

昨年秋に神戸の町を訪ねた際、商店街も道路もきれいになり、
人びとが生き生き行き交っている。
町が再建された様子を見ながら、地元の皆さんの長年の
ご努力に頭が下がった。
もう30年になるんだ・・・。

これまでニアミスの繰り返しで、なんとか無事に
切り抜けてきたわが人生であるが、
いつまでそんなラッキーが続くかはわからない。
そんなにうまくいくとは限らない。

30年の間に日本人は多くの経験をした。そこから学んだこと
も多い。

まもなく発生の時刻になる。
神戸の皆さんと一緒に祈りたい。

どうぞ、今日1日が無事でありますように。
ありがたい。という言葉の意味をかみしめながら・・・。

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