漁火なしで愉しむ、まっくら鵜飼。

岐阜城がその向こうに見える。もちろんその手前を長良川が流れている。
鵜飼が催されるメインステージはこの近く。鵜匠さんたちの住まい、仕事場
もこの辺りにある。
この建物は岐阜市長良川鵜飼伝承館「うかいミュージアム」。
昨年末、生まれた新たなご縁で、今回、当館で実施された「まっくらうかい」
なるイベントに参加してみることに。
最初、イベント名を耳にしたとき、それは何?とすぐにはイメージが
湧かなかったが、鵜飼を、暗闇の会場で体験するというもの。
ますます、何なんだろう?と疑問が興味に変わる。

アイマスクをして、まったく外が見えない状況で、スタッフの導きだけに
より、五感を通じて、鵜飼いを楽しむ。ネタバレになると今後の企画の
邪魔になるため、ここでは詳細を書けないが、とにかく視覚なしの五感で
鵜飼を体験するなんて、考えたこともなかった。

鵜飼は夜の闇に包まれ、焚かれる漁火に誘われ、幽玄な世界で展開される
伝統的なあゆ漁。鵜匠が操る鵜との協働で、長良川の美味しい鮎がとれる。
それを、船に乗った観客が見て愉しむ。

鵜飼は、確かに闇の世界で愉しむものであるが、漁火もライトもないなかで、
手探りで鵜飼を楽しむとは、なかなか珍しい経験だ。
もっと書きたいけれど・・・・。
体験して、いろいろ考え、また胸が高まり、アイマスクの中の目に涙も。

岐阜市が最高のお宝にしている、この長良川の鵜飼。
今回の暗闇のなかのコミュニケーションから、自分もこの伝統文化を
なんとかしたくなるほど、とても素敵な企画であった。
闇に包まれ、おもしろうておもしろうて、やがて・・・。
https://www.ukaimuseum.jp/

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