週替わりデートを楽しむ


この写真はとても気に入っている一枚であり、生涯忘れることができない
もの。
アストロ ピアソラ。現代音楽家で最も尊敬する作曲家、バンドネオン奏者
の墓地である。墓石の上においた紫のブーケは自分が持っていった。

この1枚を見ると、ピアソラとの勝手なつながりを感じる。
ここに行ったのは8年前になる。なんと。。。懐かしい。
タンゴはもちろんであるが、ジャンルを超えてピアソラならではの哀愁に
満ちたメロディー、バンドネオンの音が自分の人生を変えたともいえる。

初めて、彼のバンドネオンを聴いたのは20代後半か30代、BUNKAMURA
でのことだった。ミルヴァとの共演であった。

私の青春の一コマであり、その後の自分に大きな影響を変えたアーチスト。
父が旅立ったときは、ピアソラが彼のお父様が亡くなったあとに作ったという
アディオス・ノニーノがずっと頭の中で鳴っていた。
悲しみと情熱と愛・・・。ピアソラの音楽には私が欲しいものが全部詰まって
いる。

ということで、昨日はピアソラの曲を弾いた。
ブエノスアイレスで集めた楽譜を開きながら、思い出しながら弾き続ける。
なんときれいなコードなんだろう。切ない音色だろう・・。
そんなことを思いながら、いろんな曲を弾きあさる。
初見演奏は楽しい。楽譜を追いかけながら、指を動かし。そこから生まれる
ハーモニーを感じいる。よくこんな和声が生まれるなあ。
ピアソラ独特のコードがある。

先週はショパンとの語り合いをした。
「ワルツ」が入った楽譜を求め、作曲家の辿った道を散歩を楽しむように。
昨日は、ピアソラと一緒に、ブエノスアイレスの町を空から楽しんだ。

週替わりの音楽デート。
すべては空想の世界。

改めて音楽がもつ世界は凄いと感じる。

次はだれと?
シューベルトか?ベートーベンか?はたまた??

わずか1時間、2時間のわが空想時間は、この上ない贅沢な体験である。
こんなことができるのは、ピアノのおかげ、そして両親のおかげ。
彼らは最高のギフトを私に与えてくれていたのだ。

これからも、ずっとこんな時間を楽しませていただくとしよう。





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