名古屋には昭和の時代から、婚礼や子供会、会社や町内行事に使う
お菓子の詰め合わせ文化があり、駄菓子をつくる小さなメーカーが
今も存在している。そして、それを扱う問屋さん、小売店も・・。
自分が知る限り、この小売り店が3~4店舗は、今も営業している。
実は、名古屋に引っ越してきてよかったと思っていることのひとつは、
この懐かしき、駄菓子文化に触れられたこと。
なんといっても、子どもの頃を思い出す。
子ども会、バス旅行、そして近所や親せきの婚礼。嫁入り菓子は、
菓子まき・・であった。撒かれるお菓子を拾いに行く。今から
思えば、すごい行事だった。そういう風習があったのだ。
などなど、駄菓子の詰め合わせを見ると、
半世紀前の楽しかった日々が蘇る。あの頃は良かったな。
そして、一番のハレの行事はクリスマス!
小学生の頃、叔父さんがお菓子が入ったクリスマスブーツを勝って
くれたことは、今もうれしい思い出。
あのブーツ、すぐに捨てられず、長く持っていたような。また、これは
履けるのかな?と思って、試してみた記憶もある。
さて、そんな楽しいクリスマスの思い出が再び蘇った。
何か月かぶりに、駄菓子屋の前を通ったら、サンタさんがずらり並んで
いたのだ。ブーツやさまざまなお菓子の詰め合わせが軒下に陳列されている。
「わあ~、何これ」
大きなサンタの袋を見て、ひとりで感動していたら、店主が出てきて
「これ、うちのオリジナルです。メーカーが作るクリスマスブーツより
お菓子もたくさん入ってます。毎年作っているんですよ」
写真の最上段に鎮座しているサンタさんのこと。
へえ。小売店のオリジナルサンタとは~。手にとって眺める。
見ていると、愛着がわいてきて、「連れて帰っておくれ」と言っている
ように思い、ちょっと持って帰るには恥ずかしい気もしたが、
「これ、もらいます」と、購入してしまった。
小売店が心を込めてつくるオリジナル商品。とても素晴らしい。
いろんな組みあわせができるのは、小売り店ならでは。
店主夫妻が毎年、お客さんが喜ぶ姿を想像して手詰めされているのかな、
先代からやっておられるのかな?
と駄菓子屋の歴史も気になってくる。
お菓子は夢を届けるコミュニケーションツール。
クリスマスは世界中がギフトを楽しむ機会。
聖ニコラウスさんのおかげで、このように世界中に
サンタクロースとギフトのクリスマスが浸透した。
素敵なコミュニケーションの機会になればいい。
戦争も終わればいい。
それにしても、サンタさんは不変のアイドルだ。
そんな存在になりたい。とさえ思えてくる憧れの人。
重いサンタを持っての帰り道は、やはり恥ずかしかったが
それ以上に、なつかしく、うれしかった。
しばらく、開封せずに眺め続けることにしよう。
ノスタルジック クリスマス
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