200年愛される名曲と屋根裏。

この写真はドイツのボンにあるベートーベンの生まれた家。この屋根裏で1770年12月16日
生まれたそうだ。以前、その部屋に足を踏み入れたとき、この上ない感激に包まれたこと
を思い出す。
そして、下の写真は、そのボンの町にあるベートーベンのお母様マリアさんの墓地。

何度かこちらも尋ね、唯一無二の大作曲家をこの世に生んで
くださったことに感謝の祈りをささげた。マリアさんは若くして
亡くなられたから、息子の功績はご存知ない。いや、天国から見て
おられたか。

12月になると、そんなことを思い、想像を膨らませる。
ベートーベンが12月生まれであることと、第九が12月に世界中で
唄われることは関係がないのかもしれないが、日本では年末に向けて
よくこの第九交響曲が、全国各地で歌い継がれてきた。
私も小中学校のとき、地元の合唱団に参加。大人に混じってオーケス
トラと合唱の大合奏の中で涙を流した。そんなことも懐かしい。
そんな素晴らしい経験ができたのは、すべてベートーベンのおかげだ。

なぜ、聴覚を失くしたベートーベンが、あんな重層的なハーモニーを
生み出せたのだろう?
心の耳?頭脳の耳?が存在しているのだろうか?
本当に人間の力とは、可能性とは・・・わからないものだ。

いつもベートーベンの存在は私を勇気づけてくれている。
京大の元総長の平澤興先生も、ベートーベンのおかげで人生が変わった
と書かれていたことも思い出す。

楽聖と呼ばれるベートーベンが遺した最後の交響曲、第九。
今年で創作から200年。
素晴らしい。そんな長きにわたり、世界中で演奏され、歌われてきた
なんて。日本では江戸時代、海の向こうでは「フロイデ!」が
高らかに、合唱されていたのだ。それから時代は変わった。
今日も世界のどこかで、この大ハーモニーが高らかに響いていること
だろう。

世界平和を願い、生きていることに歓びを感じ、感謝の気持ちを忘れず
心高らかにともに生きよう~。
かなりの意訳だと思うが、今はそんな気持ちで第九をかみしめたい。

屋根裏から生まれた天才。努力の人。音楽の聖人。
これから100年後も、200年後も歌い継がれて、愛されるのだろう。
まさしく偉業。心から感謝を尊敬の念をささげたい。

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