オフライン時代を懐かしむ。

40年前は海外に行くことが非日常であった。
海外出張は、ご褒美のように言っていた人もいた。
20代でNYに行ったとき、お餞別をくれた人もいた。
その代わりお土産も・・・。
今では信じがたいが、とても特別なことであった。

海外に行くから、その間は日常の仕事ができない。
なんていって、行く前と帰国してからが大変。
行っている間に何か起きたら、大変。
当時はメールもまだ使っていなかったから、
基本連絡がとれない。という感じであった。

それに比べたら、今はどこにいても、つながれるし、
連絡がとれる。

パソコンさえあれば、世界中どこにも行ける。
相手に迷惑をかけることもせず、時差さえ
乗り越えれば、普段通りに仕事もできる。
そんなネット普及のおかげで、私も海外に出る
機会を多くつくることができた。
ネットにつながるのも、四半世紀前に比べたら
ずいぶんと楽になった。

とはいえ、印刷物の入稿など いわゆる商品の
納品のような仕事には今も緊張が伴う。
普段から海外からのデータを受け取ってやりとり
しているのであれば心配ないが、
たまたま海外に行くタイミングでそれをやらねば
ならないという仕事はちょっとドキドキ。
もしかして、ネットが突然ネットが使えなくなったら
どうしよう。災害がおきて、相手と連絡がとれなく
なったらどうしよう。
日本にいても災害がおきるかもしれないのに、
海外にいるということを思うと、リスクをかなり
考えてしまう。

オフライン時代には、海外出張先からデータを
送って印刷入稿するということはあり得なかった。
オンラインはとても便利。でもちょっと怖い。
そんなこと言っていたらクラウドはどうなんだ?
という話になるが、
今はとにかく海を越えて、無事に入稿できることを
願う。

オフラインの確実性、オンラインの利便性。
いやはや、たまに、オフライン時代が懐かしくなる
こともある。

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