あたたかい人たち、心のふるさと。

新潟へ通う機会は減ったが、ひとたび訪れると、久しぶりに帰省したように
懐かしい店、人に会わなくちゃと限られた時間も、バッグも
お構いなしに、ついつい詰め込んでしまう。

仕事のミーティングの合間に、会わなくちゃいけない人に会う。
行かなくちゃいけない店に行く。
「お元気ですか?どうですか?どうしてみえるかなと思って寄りました」
以前、自分がやっていたラジオ番組に出ていただいたカフェのオーナー。
来店したことを喜んでくださって、忙しいなか店に出てきてくださった。
時間を経ても、つながっているということがいい。

音楽仲間とも久しぶりに会う。
メールでのやりとりや、東京での演奏会に出かけたり、つながりは
ずっとあるけれど、やはり久しぶりに話すのが良い。
共通する価値観をもつ人との時間は、とてもとても有意義だ。

久しぶりに会った企業の社長。
本当に久しぶりだったので、仕事の話以前に、とりとめのない近況報告。
あっという間に時間が経つ。
「あ、こんな時間。仕事の話しなきゃいけないのに、すみません」
昼前には、「定食屋に行きましょうか。」炊き立ての新米を出してくれる店
に案内される。その人なりの、最高のおもてなしだ。
普段と少し違う時間が、ゆっくりと流れる。

毎週のように東京から新潟に通っていたときは、野菜はいつも新潟のお店で
買って帰った。東京に住んでいるのに、豊かな食生活をおくっていた。

パソコンと野菜が入ったスーツケースは重かった。
地下鉄神楽坂の階段を必死に持ってあがった日々が蘇る。
新潟産の野菜も果物にも、再会できてうれしくなる。
丸なす、十全なす、食用菊のかきのもと・・・。

新潟はいつの間にか、心のふるさとになっていた。
あたたかい人たち。純朴な人たち。美味しいもの。

土産物売り場に行けば、いろんな企業さんの顔が浮かぶ。
ああ、がんばっておられるなあ。こんな商品も出されたのだ・・・。
20年前、新潟の新参者であったのが、今は心のふるさとと
自信をもっていえるほどに、やっぱり新潟LOVE。

新潟と他の町をつなごう。つなぎたい。
少し遠くなった今、新潟とのかかわりを持ち続けるために、
そんな妄想をしはじめている。

心のふるさとは、これからが、美味しい季節。お米の注文が
殺到していると、魚沼の仲間からうれしい悲鳴のメールも
届く。
がんばって!

やわらかい笑顔がたくさん浮かぶ。

実りの秋を、心豊かな時間を。新潟は、
妹も弟もいっぱいいる、わすれられない
わが心のふるさと。

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