今週オンエアのラジオ収録時、ゲストさんとの対話で、新潟の古町の居酒屋の女将さんの言葉で印象に残るものがあった。「とくにおもてなし、おもてなしって特別のことではなく自然にお客様に喜んでもらえるようにしたいと思っています」。そう、「おもてなし」とは特別なサービスでも技術でもない。相手を喜ばせたいと思い、そうなるように行動する仕事の姿勢、相手への関わり方の問題だ。
今週、出かけた軍艦島の見学のツアー。なんでも現地では4社がこのビジネスをやっているそうだ。天候や見学地の安全面から4社で時間を分け合って共存しながら、しかも商売ではライバル。同じところを見学に案内するにも、どうも人気不人気もあるようだ。
今回私が参加したのは、どうやら一番人気のところだったようであるが、それはそれは慣れた、巧みのガイドさんの話。人の心をうまくとらえる話ができる。
そして飽きることのないプログラム。船での移動も2~30分ほどのことであるが、船内でありとあらゆる軍艦島に関する映像資料を見せながら、このツアーへの関心が高まるようドラマチックなタイムスケジュールに仕立ててあるのだ。
現地に着いての説明も一流だ。その炭鉱の建物の現在の様子を見ながら、同時にスタッフたちが当時の現場写真パネルを見せてくれる。紙芝居のように昔の暮らしぶりを見せ、そして廃墟に立ってその現場で話を聴く。理解も深まる。
いいモノを見せてもらった・・・帰りの船内ではカステラアイスなる、ユニークなご当地スィーツを販売。3人に一人は買ってしまう。
とにかく来たお客たちが、必ず喜んで帰るようにかなり緻密に企画しているのだ。
同行するスタッフも1船につき数名と少なくないが、わずか2時間半のツアーでもしっかりお客とコミュニケーションがとれ、いい関係でツアーを終わる。そして最後にはスタンプを押したカードをくれる。おそらく同じ人が2つ目のはんこをもらうために来ることは少ないであろうが、口コミをするのだろう。「良かったよ」と言って、そのポイントカードを友達にあげれば友達も来るのが楽しみになる。
とまあ、細かいことばかりではあったが、きめこまやかな当たり前の対応の積み重ねにその会社の名のとおり「コンシェルジュ」という存在感をしっかり感じることができた。
おもてなしとは、気が利くこと、相手が喜ぶことをいいタイミングでやってくれることに通じる。長崎は実はおもてなし力がかなりある!自然体でいるのが、親しみがもてて尚良いのだ。
ツアーが終わったとき、スタッフにいた中国人留学生に話しかけた。「日本語素晴らしかった。い経験されているね。がんばってね!」瀋陽から来ているらしい彼女、一言声をかけることで、とても喜び「はい!がんばります~~」と笑顔で答えてくれる。
この会社、きっと一人勝ちでは?これからも謙虚にがんばってほしい!そして私も見習いたいと思った。
新潟の女将さんたちも、長崎のツアーのスタッフもみなさん、普通で気持ちいい。