百の美辞麗句よりも・・・

長かった1週間もようやくファイナル・・・。
おそらく今年で一番目まぐるしさと緊張を感じたウィークも無事に終わった。

昨日はある組織の60周年記念式典に呼ばれ、記念講演をさせていただいた。
記念講演というのは、ちょっと息苦しい、肩苦しく、また私にはちょっと荷が重い。
記念の講演であるため、心に残る、そして会を盛り上げるという使命もある。

主催者が自分を指名してくださったのと、お祝いの気持ちと、お世話になってきた
感謝を自分なりに伝えたいと思い、お引き受けしたものの・・・。
また、楽しい雰囲気にしてほしいとも言われ、では音楽も入れた講演ライブみたいな
形式にするかな?
でも会場にピアノもなし、パソコンを使ってスクリーンに映し出して・・ということも
できない状況・・・。うーん。いかにこの状況で、手作りではあるが、それなりの
盛り上げ感を創出するか?
よく考えたら、難しい。
硬い空気を、楽しい時間にする?さあ、どうするか?

パワポを使わなければ、トークは自由。画面に縛られることなく、お客さんの
顔を見てフリーで話せばよい。その点でのやりやすさはあるが、難しさもある。
いつもどおり原稿をつくることはせず、一応プロットだけは頭に入れて、そして
演奏する曲の順番だけそのプロットにあわせて準備だけしておいた。
あとは、アドリブでなんとかする、なんとかなるかな。
今回の講演「人生は観覧車のように~コミュニケーションクリエイターからのエール」
というテーマに沿って、自由に話し、演奏していこうと、いつもやっているライブの
感じでいけばよいと思い、臨んだ。

会場によるが、記念式典というのは緊張するものだ。今回は高級ホテル。
最前列に赤いバラを付けた招待客の方たちが、ずらり並ぶ。その後ろに一般の方々。
うわ、この空気、緊張するなあ~。
いきなり楽しくしづらい感じ・・・。
と戸惑いつつも、なんとか講演をスタートする。
話しながら、これは早く演奏を交えた方がよさそうだ・・。
と思い、演奏中心にその間にトークを挟んでいく形に。

不思議なものだ。
話しだけであると、なかなか緊張はほぐれない(なんせ、式典であるので、
参加者全員が少し緊張気味・・)けれど、ひとたび演奏が始まると、場の空気が
変わるのを感じた。
そのまま、普段やっているライブやコンサートのように、演奏を続け、話しも
挟んでいった。
どんどん会場に笑顔が増えていくのを感じた。来賓の方々の表情も変わってきた。
そして無事終了、多くの拍手をいただき、無事終了。

主催者からは大成功だったと、歓びの声をいただき、まずは安堵。
でも、自分のなかでは、まだまだという気持ちが残った。

言葉だけで人に伝えるのは難しい。
そのことを強く思ったのだ。
パソコンやスクリーンを使わず、言葉だけで伝えるのは難しい。
道具を使うことに慣れてきた、反省でもある。

一方、音楽は伝える力がある。
そのことも、今回強く思った。

緊張する空間で、全員を真面目な内容で相手を楽しくするのは
難しくても、音楽があれば、楽しい空気をつくることができる。

仕事は毎回チャレンジだ。
お客様が学び、気づきの機会をくださっているのだ。

美辞麗句よりも、1曲のうた。
やはり、音楽を活かしながら、人に感動や生きる力を伝える仕事
を自らの使命とする、コミュニケーションクリエイターとしての力を
もっともっと高めていかねば。

ありがたい1週間が無事終わる。
さあ、また明日出会う人の顔を思い浮かべ、今日も仕込みを
はじめるとしよう。

それにしても、まだまだ。まだまだ。修行は続く。

正解のない仕事。だからこそ、やりがいがある。

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